爺ぃになると、もの忘れが激しくなるって言いますよね
最近のことや直前のことが頭から飛んでしまう。
だけど、爺ぃは昔のことは良く憶えてるんですよね
と言うことで
昔すごく世話になったラーメン屋のかぁちゃんの話。
世話になったと言っても、タダでラーメンを食べさせて貰ったとか、金を貸して貰ったとかじゃないんですよ!
精神的に世話になったんです。
今はもうとっくに無くなって(かぁちゃんも亡くなって)しまいましたが、
昔、平岸に小さなラーメン屋さんがあったんです。
名前もそう『かぁちゃん』なんです。
その店にはいろいろな人達が来ていました。
カップルが一番多かったかなっ!?
あと、学生かなっ!?
カップルは、その殆どが不倫カップルでした
でも、みんな明るく楽しい人達ばかりだったんですよ
かぁちゃんの人柄だったんでしょうね!?
言葉を飾ることなく、ハッキリと自分の言葉で何でもズバズバ言ってくれる人でした。
そして、学生が来ると、
ラーメンでもチャーハンでも二人前位の盛りで出してあげるような人でした。
かぁちゃんの唯一の趣味は競馬の予想。
でも、絶対に馬券は買わないんです。
ただ予想をするだけ。
ある時、いつも来る学生が、お金が足りなくて正月の帰省が出来ないでいたんです。
そして、私を含めた客数人とかぁちゃんとで予想合戦。
その学生は、どうせ帰省が出来ないからと、かぁちゃん予想の馬券を千円だけ購入。
そうしたら、な、な、何と、
万馬券まではいかなかったんですが、
六千円台の馬券になってしまったんです。
次の日、その学生はかぁちゃんにマフラーをプレゼントし、満面の笑顔で田舎に帰って行きました。
店に居合わせた他の客が、ホンワカあったか~い気持ちになったのは言うまでもありません
実は私、その頃
歳の離れた彼女がおりまして…
毎週末、二人でかぁちゃんの店に行っていました。
かぁちゃんが言ってくれた言葉。
「うちの店には色んなカップルが来るけど、殆どがアンタ達と同じ関係のカップルなんだよ。だけど、かぁちゃんはアンタ達が一番好きなんだ!ホントにお似合いで、楽しそうなカップルだからさ。」
「かぁちゃん応援してるから、頑張りな!幸せになりなよ!!」
でも、やっぱり別れの時が訪れました
長かった四年間
傷心を胸に一人でかぁちゃんの店に行った時
「かぁちゃんハッキリ言うよ!キツイだろうけど聞いて。」
「男はね、別れた女のことは全部憶えてるんだ。だけど女は違う。」
「彼女に新しい男ができる。当然エッチするよね!?」
「違う男に抱かれてても、一度目二度目はアンタに抱かれてるんだよ。だけど、三度目からは違う。目の前の男に抱かれてるんだ。女はそういう生き物なんだよ。」
これが、かぁちゃんから貰った最後の言葉でした。
慰めの言葉ではなく、心を鬼にして敢えて言ってくれたかぁちゃん。
もう少しで、かぁちゃんの七回忌がやってきます。
コメント
2011/09/20 5:21
2. >ゴン太さん
はじめまして
女性が、みんながみんなそうじゃないとは思うんですがね…。
かぁちゃんは、小さく細い身体で三人の子供を、このラーメン屋をやりながら育てたそうです。
本当にあったか~い人でした。
返コメ
2011/09/20 2:07
1. お初です!かぁちゃん深いですね!やっぱり女って生き物は女に聞くとよくわかりますね!
返コメ