近いうちに、学部生の頃にお世話になった教授の最終講義とパーティーがあります。

いいタイミングだし、余所行き用の服でも買おうかな。

そう思って、フォーマルな服が置いているお店に行きました。


商品を眺めていると、早速店員さんから声を掛けられます。

「よかったら、試着してくださいね。必要なら別のサイズのものを出すので。」

そう言われたので、探しているものを伝え、選ぶのを手伝ってもらうことに。

対応してくれるのは、女性の店員さん。

多分、20代半ばくらい。

髪色は大人しめな茶色で、肩上くらいまでの長さ。

髪先が内巻きになっているのが素敵。

そんな店員さんに色々と尋ねながら、商品を選びます。


商品を見せてもらったり、試着をしていると、ふと店員さんのネイルが気になりました。

グレーのネイル。

グラデーションっぽくなっていて、綺麗だなと思いました。

ジャケットもグレー系統なので、服装にあわせているのかな。

お店がフォーマルな服を取り扱っているので、確かにグレーだと服にも合わせやすそう。

そんなことを思いながら、ジャッケット・パンツ・シャツ・ネクタイと、商品を選びました。


商品を一通り選び終わり、会計をしている時のこと。

裾直しがあったので、後日の商品受け取りのために、伝票を書く店員さん。

ふとネイルのことを思い出したので、店員さんに話し掛けてみました。

「店員さん、素敵な爪ですね。」

「あ、ありがとうございます」

若干驚いた反応をされます。

なんだろう、タイミングが悪いのか、伝え方が悪いのか。

そんなことを考えながら、会話を続ける。

「その色って、服装に合わせてるんですか？」

「いえ。単純にこの色が好きなんです。服とかマフラーとか、気付いたらこんな感じの色が増えちゃって…」

「なるほど、そうなんですね。いい色ですね。」

「友達には『どんぐりみたいだね』って言われるんです。」


え、どんぐり！？


意外な表現に、つい頭の中で突っ込んでしまいました。

どこらへんがどんぐり要素なんだろうか…

多分、ネイルの先端と根元の部分で、微妙に色合いが違うからなんだろうか。

でもグレー系統の色だから、どんぐりは違うんじゃないかな。

1人でごちゃごちゃと考えている間に、会計が終わりました。

なんとなくタイミングを逃してしまい、それ以上ネイルについては聞きませんでした。

店員さんにお礼を告げ、お店を後にしました。


結局、どこがどんぐりなのかは聞けずじまい。

店員さんの友人の方は、どうしてあのネイルを「どんぐり」と形容したんだろうか。

とても気になります。