行きつけのクラフトビールのお店でのお話。

去年の年末から度々飲みに行っているので、店員さんも顔と名前を覚えてくれている。
基本的にカウンターに座っているお客さんに話しかけるタイプの接客をしている。

その日、フロアにいたのはバイトの女子大生の二人。どちらも会えば、簡単に話せるくらいは知り合い。

普段は「今日はどうしましたか」とか、「最近どうよ？」的な話から始まって、バイトさんの手が空いている時に世間話をぽつぽつと続ける感じ。


その日もカウンターで「クラフトビール美味しいなぁ…」ボケーっとしていた。「お疲れ様です」とバイトさんの1人が声を掛けてきた。「どうもですー。」と返して、声を掛けられたから何か話そうかどうしようかなと思っている時のこと。バイトさんから言われた一言。


「そういえば、うちら、バイト終わったら海までドライブしに行くんですけど、一緒に来ます？」


一瞬脳がフリーズした。
多分、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたと思う。

「は？ え？ これからドライブ行くの？」と聞くと、「はい。ノリで誘ったら、来るかなと思って」と言われた。たしか午後11時くらいだったと思う。

ちょっと状況が飲み込めず、自分の頭にハテナが浮かんでいた。しかし、咄嗟に「行っていいなら、行くわ」という言葉が口から出てきた。ここは話に乗っかった方が面白そうだと思ったら、選択肢はひとつしかなかった。

「お、じゃあ一緒に行きましょう。それなら〇〇駅に1時過ぎくらいに来てください。LINEのIDは××××××なんで。」

そう言って、他のお客さんの対応に戻って行った。


正直、冗談で聞いたはいいが、普通は行かない方がいいのかと思って、「いや、空気読めてなかったら、行かないから。」と言ったが、「いやいや。全然オッケーですよ。」と返された。マジか… まぁ、面白いからいいかという結論にたどり着いた。


そんなこんなで、女子大生2名と一緒に深夜ドライブに行きましたとさ。