温かく柔らかな、あの中の感触
50代前半  神奈川県
2023/11/14 0:43
温かく柔らかな、あの中の感触
東京は3年ぶりの木枯らし1号だと。
東京だけ?横浜は?と思いつつ調べてみても特にそれっぽい情報はなさそうで、どうやら東京だけらしい。
たしかに木枯らしと言うほど強い北風が吹いていた様子はなかったから、今日のところは対象外だったのだろう。

とは言え、今週に入って急に寒い。
昨日の夜中というか明け方なんて、本当なら日曜だからゆっくり寝ていたいところだったけど、寒さで目が覚めてしまったくらいで。

どちらかと言うと寝る時は少し肌寒いくらいの方が良く眠れる体質で、下手に厚手の布団なんか掛けたりすると寝ている間に勝手に剥いでしまい、起きた時には何も掛けずにお腹丸出しとか、かえって体調崩しかねないことになるから、夏掛け布団というか、一応は羽毛だけどペラッペラで極薄のやつ、先週まではそれでちょうど良いくらいだった。

でも、この冷え込みに極薄布団ではさすがに寒すぎたようで、身体が危険を察知したのか、凍える前に意識を目覚めさせた。
換気のためか知らないけど、窓を少し開けたままの寝室は、すきま風どころではない冷気に晒され、ほとんど外気温と変わらない寒さにまで冷え込んでいて、危うく低体温症にでもなりかけていたのかもしれない。

断熱性などほとんどない極薄布団の中で身を丸めてみたところで、発熱より放熱の方が勝っている状況に変わりはない。
かと言って冬布団を出そうにもクローゼットの最下層、しかも圧縮袋の中でペッタンコになっているはずで、今すぐどうにかしたい状況には使えそうにない。

とりあえず布団代わりにダウンジャケットでも…と物置部屋へ取りにいきつつ、ふと思い出した。
あっ、寝袋でいいじゃん。
まさか家の中で寝袋にくるまることになるとは思ってなかったけど、とりあえず寒さをしのぎつつ快適に寝られるツールとして、ある意味最強かと。
広げてもぐり込めば、ほどなくしてヌクヌクと温かくなり、この程よい締め付け感がありつつ温かく柔らかな中に包まれる感じがいいねぇと、例のアレの中に根元まで全部包まれている感覚を妄想しながら、再び眠りに落ちた。

「アンタ!何やってんの?」
妻の声に起こされたけど、部屋の中で寝袋にくるまっていれば、そりゃ驚きもするだろう。
「いや…寒かったから…」
嘘偽りなく、それ以外の理由はない。
「バッカじゃないの?」
そうですね、自分でもバカだと思います…

と言うのは昨日の朝の話。
日中、冬布団を引っ張り出したはいいけど、ペッタンコを戻すのに本来なら天日に干したい。
だけどあいにくの空模様で、雨こそ降っていないものの、厚い雲に覆われて日差しは全くなく。
仕方なくダメ元で布団乾燥機にかけてみると、なんだ、全然イケるじゃん、いい感じにふっくら仕上がった。
干してないからダニとか気になるけど、長期間の真空状態で死滅したことにしておこう。
おかげで昨夜は快適に寝られたし、これで当面の心配はない。

それにしても、寝袋が意外と心地良かったなと。
やっぱり温かく柔らかな中にスッポリ包まれるのは、なんとも言えない気持ち良さがあって。
自分の孤独を癒してくれるあの寝袋に、奥まで深くもぐり込みたい。
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