境界線のグラデーション
50代前半  神奈川県
2/9 23:15
境界線のグラデーション
ワーカーホリックと言うほどではないけれど、仕事は割と好きだし、性にも合ってると思うし、単に生活のためだけじゃなく、それなりにやり甲斐も感じながら日々モノづくりに励んでいる。
家にいれば何かと肩身が狭くて、自らの意思で自由に動けない窮屈さが嫌になったりするけど、それに対して職場では、そこそこ自分の裁量で周りを動かせるから、自分が自分でいられる場所みたいな感覚もある。

でも、プライベートとの境界はキッチリ分けたくて、職場から一歩出たら、気持ちの切り替えは比較的スパッと上手くできる方だとも思う。
たまにPC持ち帰って仕事しようと試みることもあるけれど、我が家の環境で仕事に集中することなど到底不可能で、結局は何も進まないのがいつものパターンだから、仕事は家庭に持ち込まない、そう徹底して割り切ってしまった方がいい。

日常生活では満たされない欠乏感とか、このまま年老いていくことへの焦燥感とか、ふとした時に感じる深い孤独感とか、ただ過ぎていくだけの日々に希望を見出せない絶望感とか。
そうした心のモヤモヤの中で見失いかけた自分を取り戻そうと、非日常の出会いに救いや癒しを求めようとしている。

ただしそれには絶対的な前提条件がひとつあって、日常と非日常の境界は、決して曖昧にしてはいけない。
境界はキッチリ分け、気持ちをスパッと切り替え、徹底して割り切らなければいけない。
非日常の世界は、自分と相手、ただ2人だけの秘密。
その非日常を日常の中に持ち込めば、何もかも全てが終わってしまうから。

とは言え…
仕事は頭で思考するもので、その思考回路なら意識して切り替えることもできるけど、愛おしさが溢れる感情や、欲情を駆り立てる本能は、心も体もひとつしかないものだから、分けたり替えたり割ったりなんてできやしない。

まして将来に何の保証もない、いつ消えるとも知れない儚さを伴う関係は、だからこそ狂おしいほど愛しくもあって。
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