男の友情!!『大谷吉継』関ヶ原に散る・・!!【戦国日記】後編【新作最終話】
1600年10月21日
関ヶ原合戦の当日早朝…
「どうも・・、小早川中納言の動きがおかしい」
大谷吉継は石田三成に相談した
「どうしたのだ・・」
「徳川内府殿に内応しているかもしれない」
西軍本陣の南側にある松尾山に布陣している小早川金吾中納言秀秋15000がどうも怪しいのだ
それだけではない
南宮山に着陣した毛利秀元15000、吉川広家3000も様子が変だった
さらに大阪城でも奉行仲間の増田、前田とも音信が不通になっており、頼りの秀頼様の出馬の件も淀君より断られた
どうやら…
大阪城も徳川家康と内通しているみたいで、淀君が家康に書状を送っているのを三成は知っていた
陣中でも猛将島津義弘が今朝から三成のことを無視していて、戦う気配をみせてない
前日の軍義のときの三成の無礼な態度に腹を立てているようだった
その前には京極高次が西軍から東軍に寝返ったので、精鋭である立花軍主力の15000の兵力を割いて征伐軍を送っていた
三成は松尾山の見ながら、不安な気持ちでいっぱいになった
そもそもこの戦いは秀頼様のための戦いなのに、なぜみんな家康につくのだ
しかも、秀頼様のご母堂の淀君まで家康に密書を送るとは…
三成はストレスで、腹が痛くなるのを感じた
戦場になる関ヶ原一帯は濃霧で覆われていた
静まりかえる霧の中から馬の蹄の音が聞こえる
来る…
三成は霧の中をみた
ドドド…
福島正則の騎馬軍団が宇喜多秀家の陣地に突撃する
ものすごい地響きだ
ダダダダアァァァン!!
宇喜多の陣地から銃声が鳴り響き、すぐさま騎馬が突撃していった
うわぁぁぁ!!
鬨の声が響く
乱戦になった
西軍の中で最大兵力をつれている宇喜多軍は士気が高い
勇猛果敢な福島軍を押し返していた
石田軍にも黒田長政、細川忠興など豊臣恩顧の大名たちが代わる代わる攻撃した
しかし、石田軍には『三成に過ぎたるもの』の島左近など優秀な武将がいて、東軍の攻撃をしのいでいた
もうすでに関ヶ原一帯で多くの兵士が戦い乱れている
そんな中で異様な軍団もいた
島津義弘軍だ
陣地から動こうとはせず、来たものを追っ払うに徹していた
東軍も気味悪がって、あまり攻撃を仕掛けてこない
「優勢ではないか、我が軍は…」
三成は近習にもらす
有利な状態に少し気分も晴れて、機嫌が良くなっていた
確かに東軍は攻めあぐねていて、今のところ西軍の方が優勢であった
三成は南宮山と松尾山を見る
ここで両山から家康の背後から攻撃したら、確実に勝利なんだがなぁ
動かない両山に苛つきを覚えながら・・
「伝令をだせ」
三成は攻撃要請をした
しかし!!
松尾山と南宮山に伝令は行ったが、その後もどうも動きが緩慢だ
やはり内通しているのか・・
三成は疑心暗鬼に落ちいった
その頃、大谷吉継も松尾山と南宮山を眺めていた
「やはりな・・」
動かない小早川と毛利に不信感を持っていた
特に松尾山の麓に陣を張っている吉継は、もし小早川が裏切って攻撃してきたら最初に攻撃される
15000名が突撃してきたら、3000名しかいない大谷軍なんてイチコロだ
大谷と小早川の間に脇坂安治、朽木元綱など4000名の部隊が配置されていて、一応は裏切りに対しての備えであったが心もとない
吉継は藤堂高虎らと交戦していたが、念のため精鋭600名を温存することにした
戦上手の吉継は倍以上で攻撃する藤堂軍を押し返していた
一方、南宮山では毛利秀元は困っていた
三成からは参戦要請がひっきりなしに来ていて・・
後方に陣を張っている長宗我部からも問い合わせが来ている
秀元自体も出陣して東軍を攻撃したいが、毛利軍前衛を務める吉川広家が動かないのだ
しかも、同じく前衛の安国寺恵瓊と広家は仲が悪いので、お互いに牽制しあって戦どころではない
「今!!兵たちに弁当を食わせている!!」
毛利秀元が三成の伝令に答えたのがこれだ
「戦のさなかに弁当!!正気でござるか!!」
伝令の兵はビックリして聞き直した
「食べ終わったら出陣するから、治部少輔殿に伝えよ」
そんな状況だから、後方の長宗我部も毛利の真意真意をはかりかねていた
むやみに毛利の前には行けない
裏切られたら、背後から攻撃されるからだ
家康は南宮山が動かないのを確認すると、本隊を最前線に前進させた
吉川からは内通の書状を貰っていた
毛利家を戦に参加させない代わりに、戦後の毛利家の本領安堵をお願いした内容だ
まぁ、家康は了解した返事をしたが、この約束を守るつもりはなかった
家康は苛ついていた
なかなか西軍の正面は頑丈で、東軍は押され気味になっていた
「三成め・・、なかなかやりおる」
東軍前衛を務める豊臣恩顧の武将たちの不甲斐ない戦いに毒をつきながら
家康は松尾山を見た
「金吾は何をしておる!!」
内通を約束しておきながら、なかなか裏切らない金吾に腹を立てていた
「奴め!!漁夫の利を得んとするか!!構わん、奴の陣地に鉄砲を撃ちこめ!!」
日頃温厚な家康の怒気に恐れをなした近習が鉄砲隊に伝令を出した
一刻もしないうちに松尾山に銃弾が撃ち込まれた
驚いたのは金吾だ
「内府が怒ってる・・」
もともと精神薄弱な金吾はパニックを起こした
「全軍、下山して突撃しろ!!」
その命令に見物を決め込んでいた小早川の重臣たちは驚いた
そもそも裏切りには道義的に反対だった連中だ
「どちらへ突撃いたしましょう?」
なんともマヌケな質問をする
「決まっておろう!!治部じゃ石田治部少輔三成を討つのじゃ!!」
松尾山が吠えた・・・!!
ウワァァァ!!
全軍15000がものすごい勢いで、西軍の陣地に攻撃をしてきた
まずは松尾山正面にあたる大谷の陣地に迫った
その前面には脇坂安治、小川祐忠、赤座直保、朽木元綱ら計4200の西軍諸隊もいた
「来たな!!」
金吾の裏切りを予想していた大谷吉継は覚悟した
「迎撃体制をとれ!!鉄砲隊はワシに続け!!」
激しい銃撃で小早川軍の出鼻をくじく・・
そして、すぐに突撃を敢行した
「金吾の好きにさせるかぁ!!」
鬼神の如くの大谷軍の攻勢に、小早川前衛は混乱を起こし松尾山山麓まで後退した
しかし、そこへさっきまで味方で共に戦ったてきた脇坂、小川、赤座、朽木の4将が裏切った
大谷軍の側面に突如攻撃をしてきたのだ
うぉぉぉ~!!
前面を東軍の藤堂高虎
側面を裏切り4将
背後を小早川秀秋
大谷軍はあっという間に大軍に包囲され、奮闘虚しく壊滅した
大谷吉継は天を仰ぐ
「天命尽きたかぁ・・、男の友情と義理に生きた人生に悔いなし!!」
そして自刃!!
辞世の句は・・
『契りあらば 六の巷に まてしばし おくれ先立つ 事はありとも』
これは、同じく大谷軍として共に戦った戦友で無二の友人、平塚為広の時世の返句と言われている
平塚の辞世の句が『名のために棄つる命は 惜しからじ 終にとまらぬ浮世と思へば』
意味は、『名誉のために捨てる命は惜しくない 永遠の命なんてないのだから・・』
それに対して吉継は、『六道の辻で待っててください 遅れたり早く着くことはありますが・・』
六道の辻とは、死後の世界で輪廻する6つの世界の入口のこと
平塚は辞世の句を吉継に送ると、敵陣の突撃して壮絶な最期で戦死する
句を受け取った吉継も返句を送って自刃する
お互いに、男の友情に殉じたって感じで!!
大谷吉継、石田三成・・そして平塚為広
男ですよね~
ロマンを感じますね!!
そして、小早川の裏切りにより、西軍は総崩れとなり・・
最期まで奮戦していた石田軍も壊滅して、三成は戦場を離脱した
彼は囚われの身になり、市中引き回しの上、六条河原で斬首された
19万石の太守としてではなく、罪人としての辱めをうけての処刑だ
徳川家の非情さがうかがわれる
(おわり)
コメント
2014/03/01 7:28
6. >>5 ゆういちろう@舐め犬最低野郎・クリト2号さん![[!!]](https://img.550909.com/emoji/ic_biccuri02.gif)
![[あせあせ(飛び散る汗)]](https://img.550909.com/emoji/ic_asease.gif)
![[ウッシッシ]](https://img.550909.com/emoji/ic_face_foppish.gif)
![[ぴかぴか(新しい)]](https://img.550909.com/emoji/ic_pikapika.gif)
おはようございます
そう負けるわけがない作戦だったんだけど…
家康は天才だったね
島左近もカッコいいよね
返コメ
2014/03/01 7:12
5. おはようございます![[犬]](https://img.550909.com/emoji/ic_dog.gif)
![[芽]](https://img.550909.com/emoji/ic_bud.gif)
明治時代、関ヶ原合戦の陣地配置図を見たドイツ陸軍の教官は、即座に【西軍(石田側)が勝った】と断言したぐらい完璧な包囲戦だったんですが…。
徳川家康による切り崩し工作の勝利でしたね(爆)
そんななか、義に殉じた大谷吉継と島左近は僕も大好きな武将ですよ。(^^)
返コメ
2014/03/01 1:35
4. >>3 孫策さん
お役に立てて光栄です~!!
返コメ
2014/03/01 1:32
3. なるほど
勉強になりましたヾ(・◇・)ノ
返コメ
2014/03/01 1:30
2. >>1 ひろりんさん
歴史って面白いんですよね~
最期まで読んでくれて、ありがとうございます!!
返コメ
2014/03/01 0:52
1.
なるほど知らんかったわ![[手(パー)]](https://img.550909.com/emoji/ic_p_hand.gif)
![[指でOK]](https://img.550909.com/emoji/ic_finger_ok.gif)
(笑)
男の友情 こんな男のロマンはええなぁ
最後まで読むん長かったし
返コメ