マジで久しぶり日記~硬派バー『ヘビーメルダー』~男と女の物語
「いらっしゃいませ」
バーテンが声をかける
私は暗くて狭い店内を見渡すと、軽く会釈をしてカウンターに座った
私以外にお客はいない・・
私は何となく安堵した
週末の深夜にお客がいないバーなんて、ここだけだろう
何も気を使わないですむ・・
そんな感覚だろうか
よく分からないが落ち着く
私はいつものように『山崎12年』をロックで注文した
そして、目を閉じて静かに待った
心地よくかかるBGMとお酒を造る音だけが店内に広がっている
カラーン・・
ザッザッザッ・・
氷を砕く音が気持ちが良い
ここのバーの名前は~
『ヘビーメルダー』
おかしな名前と思うかもしれないが、本格的なカウンターバーだ
店内は木目を基調した落ち着いた内装で、カウンターの前にはダウンライトで照らされてお酒がびっしりと並んでいる
全体的に照明を落としている
カウンターの端に座ると反対側の端の人物の顔が見えないくらいの暗さで・・
お客がくると、テーブルに置いてあるお洒落なキャンドルに火をつけるシステムだ
私は数年前までこのバーの常連客で~
キャバクラなどの夜の情報をここで仕入れては出撃していった
ここは言わば、私にとって情報収集&補給基地・・
心のなかで『トレーダー分岐点』と呼んでいた
そんなバーに何年かぶりに立ち寄った
目の前に山崎が置かれた
私はグラスをゆっくりと口につけ、味わいながら飲んだ
「うまい・・」
私はバーテンを見ながら小声で言った
彼は笑みを浮かべながら、懐かしそうに私に話しかけてきた
「あかぎさん、元気でしたか?」
「あ~なんとかね」
私は昔を思い出しながら『山崎』を傾ける
フフフ・・
「あかぎさん・・山崎好きですよね」
バーテンが聞く
「あぁ・・思い出があるからね」
昔、遊んでいたことを思い出しながらウイスキーを楽しむ
今日は気持ち良く飲めそうだ~
心底そう思った
カラーン・・
グラスの中で氷の砕ける音が小さくなる
氷がライトの反射で茶色く輝く
綺麗だ・・
私は純粋にそう思った
そのとき突然、ドアが勢いよく開いた
バーーーン
男と女・・カップルが入ってきた
かなり酔っ払っている
50代であろうか・・
サラリーマン風の男と30歳くらいのクラブ風の女性だ
アハハハ~
楽しそうにカウンター席に座った
私はカウンターの隅に座っているので暗くてよくは見えないが、アフターなんだろうなぁっていうのは分かる
うるせーな・・
私は心のなかで毒ついた
せっかく気持ち良く飲んでいたのに残念な気分だ
暗くてよく見えないが妙にイチャイチャしている
たまに「やだぁ~」など女の声が聞こえる
けっ!!
私の心のなかは尋常ではない
なんでだろう・・
うるさいから?
それとも、また別の感情?
私は1ヶ月位前に彼女と別れていた
相手はまたいつものように飲み屋の女だが、半年くらい付き合って別れた
感情のもつれから急に付き合うのが嫌になって、私から切った
別れたことへの後悔はないが、今になって寂しさはある
だからこうして夜のお店を彷徨っているような気がする
アフターしているカップルへの嫉妬か・・?
私はしだいにイライラ感が高まった
トイレに行くついでにバカ女の顔を見てやろうと思った
私は席を立ち、暗い中をトレイに向かって歩いた
えっ!!
恵梨香??
まさかと思っていたが、何となく分かっていた
声を聞いて似ていると思っていたからだ
それはなんと・・
1ヶ月前まで付き合っていた彼女だった
私はその場で声を掛けるわけにはいかないので、そのままトイレに入った
なんで・・??
しかも仕事とはいえ・・オヤジ!!
いやいや・・私もオヤジだけど!!
なんでだよ~
もしかして、良い仲なのか・・
私はすごくゲスな発想をしていた
なんか・・切ないなぁ
用を足して席に戻るとき、さり気なく彼女に会釈した
「あら・・あかぎさん」
彼女は驚いた表情で私を見る
「久しぶり、今日は一人飲みですよ、誰も相手してくれないので・・」
私は自分で言ってみて、なんか我ながら嫌な言い方だなぁって思った
一瞬黙り込んだが彼女は・・
「あらぁ、あかぎさんモテるからすぐに相手を見つけるんじゃないの・・」笑いながら言う
しかしその目は表情とは逆に笑ってはない
「モテないよ・・知ってるでしょ」
私が返すと、彼女は笑い出した
「あはは!!ふ~ん、そうなんだ」
その目には怒りみたいのを感じる
こわっ・・
そして、隣にいるオヤジが嫌な顔をしながら私を睨んでいる
今にでも参戦しそうな雰囲気だ
私はオヤジを軽く睨み一瞥すると、会釈をしてその場を去った
すごくショックだった
別に嫉妬しているわけじゃないと思うが・・
以前付き合っていた彼女が他の男と一緒にいて、それが親密な関係みたいということがショックだった
まだ1ヶ月だぜ・・
しかも、オヤジだぜ・・
まぁ私もオヤジだけどさ
でも明らかに私よりにオヤジ臭いオヤジだ
うだつの上がらないサラリーマンって感じだ
私より遊んでいそうでカッコいい男なら納得できる
なんでだ・・?
他にもいい男いっぱいいるだろうに・・
何か私の思い出を踏みにじられた感でいっぱいだ
でも、なんで・・?
仕事だからか・・
それとも男女の関係になってるからか・・
あぁぁぁ
ショックだ
でもさ・・
さっき、トイレ行って鏡を見て思った
そこには十分うだつの上がらない男がもう一人いた
私だ(笑)
(人のこと言えないし・・)
これまたショックだ!!
私は会計を済ませると、すごすごとヘビーメルダーをあとにした
~ナレーション~
そのとき鉄郎は思った
『人を見て我が身を直せ・・』
ぽぉぉぉぉ~~~~~~~
コメント
2014/11/13 17:45
61. >>58 テンコ
さん
こんばんは!!
すみません、返事おくれました
そうなんですよ~
気がつくと、オヤジ化してました(笑)
遊ぶのをやめると老けますね・・トホホ
返コメ
2014/11/13 17:43
60. >>57 雅志(ロッべンの笑顔が好き
)さん
ヤマト~
良いですよね
大人になってから観るヤマトって、色々男のロマンがありますよね
松本零士・・
ほんとどっから出るんでしょうね~
私も知りたいです
返コメ
2014/11/13 17:42
59. >>56 伊織さん
ありがとうございます~
オヤジなんで・・
ビールかウイスキー、ワインばっかです(笑)
返コメ
2014/11/13 6:37
58. おはようございます。久しぶりの日記ですね
出遅れました。オヤジ顔は好きで なるんじゃないから 年を取ると避けられないけど みんな一緒です。v(=∩_∩=)
返コメ
2014/11/02 6:24
57. >>55 あかぎさん
この間、久しぶりにヤマトの劇場版を借りてきて観ました…
松本零士…彼はどこからこのインスピレーションを貰ってこれらのストーリーを書いたのでしょうか?
わたしはイスカンダルのスターシア
返コメ
2014/11/02 0:16
56. バーでウィスキーなんて ダンディー![[目がハート]](https://img.550909.com/emoji/ic_face_hearteye.gif)
素敵です
返コメ
2014/10/30 12:03
55. >>54 雅志(ロッべンの笑顔が好き
)さん
あはは(笑)
999は私どもオヤジにとって・・
永遠の青春だね(笑)
冥王星かぁ
ガミラスの基地もあるよね(笑)
返コメ
2014/10/29 17:10
54. あっ!失礼しました!
あかぎさんお帰りなさい
返コメ
2014/10/29 17:09
53. 太陽系最果て、冥王星!非常に寒く、見渡す限り氷の世界が広がり、空にはオーロラが輝いている。停車時間は6.39日。旅人はこの星から太陽系外に出るか否か考えることから「迷いの星」と呼ばれる。郊外の墓地には病死した人や機械の体に変えて抜け殻となった人の人体が冷凍保存されており、シャドウという女性の機械化人が墓守を務めている。
メーテル曰く「宇宙で一番悲しい所」
太陽系の消滅に巻き込まれ消滅した!とされる。
999は私達未来を暗示するようなドラマ…
返コメ
2014/10/29 7:32
52. >>49 ハボック
さん
お久しぶりです(笑)
いやぁ参りました
返コメ