あなたの温かさ
おはよう!
私の傍に、静かに寄って来て身を私に預けるあなた。
私が、あなたの体を手で優しく前から後ろへと撫でる。
心地よさそうに、私に身を任せるあなた。
あなたの体は、まるでビロードのような、すべすべした感蝕。
そのビロードの下には、温かい命が息づいている。
あなたは、前手を舐めて、その手で顏を整える。
あなたは、昔は精悍な体格をしていたが、
今はもうそんな風格は微塵も感じさせない。
あなたと出遭ってもう16年。
昨夏の猛暑にあなたは、食事を全く摂らなかった。
先生の適切な診断、処方とみんなの献身的努力で
病気が徐々にではあるが、快方に向かった。
これからどれだけあなたと一緒に過ごせる
だろう。
私にできることは、こうしてあなたの体を
優しくゆっくりと撫でてあげることだけ。
あなたの体温を私の手のひらで感じながら、