求む、結婚相手
阿部夫人は悲嘆に暮れていた。
というのは、夫の阿部氏が家を出てしまったのだ。
そのうえ、娘の百合は32才にもなるのに、まだ独身だった。
夫人は、もうこれ以上ぐずぐずしてはいられないと思い、百合に言った。
「百合、どうだろうね。新聞広告を出してお前の結婚相手を探して
見たら?」
百合は、とてもそんな恥ずかしいことはできないと言った。
「大丈夫だよ、べつにお前の名前を出すわけじゃないんだから。
私書箱を使って、番号だけ載せればいいのさ。ほら、母さんが
ここに広告文を書いてみたんだよ」
「当方魅力ある日本人女性。教養、学歴高く、容姿端麗。家庭的。
教養ある、温厚で頭脳明晰な日本人男性求む。結婚前提の交際致したし」
百合は、母親に説得されて、ようやく広告を出すことに同意した。
広告が出て、百合は毎日、私書箱を見に行った。
一週間ほどして、待望の返事が一通きた。
百合は手紙を持って家へ飛んで帰った。
「お母さん、ほら、見て!」
「さあ、早くおあけよ。何をぐずぐずしているんだい」
百合は封を切って、どきどきしながら手紙を読み始めた。
そして、読み終わるとどうしたわけか、泣き出してしまった。
「百合、いったいどうしたっていうんだい?」
阿部夫人がたずねた。
「だってお母さん、これ、お父さんからなのよ」
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ポケット・ジョーク 「男と女」より一部変更
世間では、よくありうる話ですね。観察眼が鋭いですね。
コメント
2018/03/06 10:09
2. >>1 まいこー☆じゃくちょー?さん
まいこーさん、おはよう。コメントありがとう。
私も貴女の見方に賛成。
返コメ
2018/03/06 7:30
1. お父さんw
結婚生活を別の女性とやり直したいのかしら
(๑•ω•๑)/"
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