求む、結婚相手
60代前半  静岡県
2018/03/03 23:51
求む、結婚相手
阿部夫人は悲嘆に暮れていた。

というのは、夫の阿部氏が家を出てしまったのだ。

そのうえ、娘の百合は32才にもなるのに、まだ独身だった。

夫人は、もうこれ以上ぐずぐずしてはいられないと思い、百合に言った。

「百合、どうだろうね。新聞広告を出してお前の結婚相手を探して

見たら?」

百合は、とてもそんな恥ずかしいことはできないと言った。

「大丈夫だよ、べつにお前の名前を出すわけじゃないんだから。

私書箱を使って、番号だけ載せればいいのさ。ほら、母さんが

ここに広告文を書いてみたんだよ」

「当方魅力ある日本人女性。教養、学歴高く、容姿端麗。家庭的。

教養ある、温厚で頭脳明晰な日本人男性求む。結婚前提の交際致したし」

百合は、母親に説得されて、ようやく広告を出すことに同意した。

広告が出て、百合は毎日、私書箱を見に行った。

一週間ほどして、待望の返事が一通きた。

百合は手紙を持って家へ飛んで帰った。

「お母さん、ほら、見て!」

「さあ、早くおあけよ。何をぐずぐずしているんだい」

百合は封を切って、どきどきしながら手紙を読み始めた。

そして、読み終わるとどうしたわけか、泣き出してしまった。

「百合、いったいどうしたっていうんだい?」

阿部夫人がたずねた。

「だってお母さん、これ、お父さんからなのよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ポケット・ジョーク 「男と女」より一部変更

世間では、よくありうる話ですね。観察眼が鋭いですね。
コメントする

コメント

60代前半  静岡県

2018/03/06 10:09

2.  >>1 まいこー☆じゃくちょー?さん
まいこーさん、おはよう。コメントありがとう。

私も貴女の見方に賛成。

70代以上  大分県

2018/03/06 7:30

1. お父さんw

結婚生活を別の女性とやり直したいのかしら
(๑•ω•๑)/"

…━…━…━…

無料会員登録はコチラ

…━…━…━…