何事も中庸が肝要
60代前半  静岡県
2018/03/21 13:41
何事も中庸が肝要

本文 生活習慣病予防として、運動の効能が叫ばれている。

そのため、トレーニングジムに通い、ジョギングを日課に

している方も多い。

「毎日の運動が、健康長寿につながる」とは必ずしも言えない

現実がある。

デンマークで約1万八千人を最長三十五年間にわたり追跡した

調査研究によると、適度に運動する人は、全く運動しない人に

比べて男性で6.2年、女性で5.6年も寿命が長いと分かって

いる。

他方で「長時間」「ハイペースで」「週4回以上」ジョギング

している人は、「ほどほどの時間」「あまり速くないペースで」

「週数回程度」ジョギングをする人より、死亡率が高いことも

明らかになっている。

このように運動負荷が高ければ高いほど、健康寿命を延ばすとは

言えない。

運動時には、負荷がかかる全ての臓器、自律神経中枢、筋肉などで

酸素を消費する。その際発生する活性酸素は、ある程度体内で

分解されるが、激しい運動を続けた場合、大量に発生した活性酸素が

細胞を酸化させ、さび付かせてしまう。さび付いた状態が、一過性で

あれば、まだ「疲労」の段階であり、休息によって回復ができる。

しかし細胞にさびがこびりつき元に戻らない状態に至れば、それは

もう「老化」であり、寿命を縮めることになる。

運動は、筋肉の維持や肥満防止のために非常に重要ではあるが、

健康寿命の観点から考えると、「運動中に会話ができる程度」の

強度で、週に数回の頻度で、当日の体調と相談しながら行うことが

最適だと言えるであろう。

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静岡新聞3月20日 夕刊

東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本修身 より抜粋


会話が出来る程度の強度とは、心拍数で100~110程度/分。

週数回とは週2、3回。
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