男の妬み
今日もいつもの通り、昼から温水プールへ。
時折、雨が降る鉛雲に覆われた秋雨前線。
割と混んでいる。小学生は数人しかいないが、水中歩行する男女と
レーンで泳ぐ男女がほほ各々20人。
準備体操を終え、すいているレーン--でも2,3人は泳いでいる--に
仲間に入れてもらう。私を含めて4人、その中に凄く年を取った
お爺さんが、難破船のような泳ぎで進んでいる。年恰好は80前後。
私の前に、そのお爺さんが来た時、少し間隔をあけて私は、クロールを
泳ぎだしたが、向う端(25m)までに彼の足が目の前に。
止む無く、向うから泳ぎ手がいないことを確認して、左寄り、彼を
抜く。でも私は、100m(2往復)が精一杯。端っこで休んでいると
かのお爺さんは、何とか手をかいてというかもがいて、決して
休まないで、泳ぎ続ける。凄いスタミナである、強心臓でもあろう。
でも私のレーンは、私より上手な泳ぎ手ばかりで、かのお爺さんは
いつの間にか、隣のレーン(初級者レーン)に移って、泳いでいた。
どのくらい泳いで、いつ上がったか、私は気に留めていなかった。
しかし、プールから上がり、更衣室で男性3人が、例のお爺さん
のうわさ話をしている。スーパースタミナ親爺の決して止まらない
泳ぎ。1時間半くらい、泳いでいたという。「あの親爺、あんまり
長い間泳いでいて、プール内におしっこしていないだろうな」
「いや、きっといい気持ちでおしっこしたに違いない」とか
「だって1時間半、おしっこ我慢できるはずがない」と。
自分より桁外れに泳ぎ方が下手な癖に、いっこうに泳ぎを
止めようとしないお爺さんの脅威に畏敬の念を抱きながら、
下品な蔑視を抱く中年オヤジ達。
嫌だね、こんな陰口を聞くのは。
男の社会も女性の陰口と陰湿で変わらない。