眼を閉じて見よ!
「眼を閉じよ。そうしたら見えるだろう」
これは、サミエル・バトラー(1835-1902)イギリスの小説家、
批評家が言った言葉である。
このセンテンスは、もちろん逆説である。だがその意味は
誰にでも明瞭にわかるであろう。
どんなに眼を大きく開いても見えないものは、見えない。
そんな時、私達は心の眼、理性の目を用いて見なければ
なるまい。
恋人、或いはそれに類する人の心が読めない時、どんなに
じっと顔を見つめたってだめだ。相手はしなを作って誘い
あなたはそれによって二度惚れをして興奮し、結局なに
ひとつ見ないのだ。
だから 気持ちをずっと静めて 「眼を閉じて見よ」。
そうすれば、相手が逆に、うろたえて馬脚を現すという
羽目に陥るだろう。