湯葉を買った後は
近場のスーパーに寄りました。

あゆが唇ヘルペスになってから
栄養のあるものを買ってやろうと
立ち寄ることが多くなってるんです。

あゆ
「彦ちゃ～
　　アボカド買ってぇ～」

あゆも
ここ数週間の
唇のヘルペスが
なかなか治らなくて
かなり気にしていました。

あゆ
「皮膚科の医者に
　　栄養のバランスを良くして
　　抵抗力着けなあかんて言われてる」

その答えが
アボカドのようでした。

スーパーに勢いよく駆け込んで
籠にアボカドを一つだけ入れて
彦が追い付くのを待っていました。

彦
「おい、なんやそれは？
　　なんかのギャグか？(笑)」

そう言いながら
彦がカートを突き出すと

あゆは嬉しそうに
アボカドが一つはいった籠を
カートに乗せました。(^_^;)

彦
「ほしいもの一杯買ったらいいよ」

あゆ
「ほんま？ほんだら～
　　豆乳と・・・豆乳と・・・
　　　ヨーグルトと・・・バナナがいいー」

彦
「おい？お前、
　　栄養のバランスって
　　　わかってるのかぁ？」

あゆ
「あゆ、バナナ好きやもん」

彦
「ほら！お肉は？」

あゆ
「肉、いらん」

彦
「魚は？」

あゆ
「これ、どないして食べるの？」

彦
「あーわかった。
　　ほな、このマグロの刺身食い。
　　　　切ってわさび醤油かけるだけやよ」

あゆ
「うん、食べる。」

彦
「じゃー、このタコもな」

結局
こんなやり取りをしながら
買い物籠を満タンにしていきました。

世話の焼けるやつです。

なかば強引に
あれこれ放り込んでいっても
5千円ちょっとでした。

中でも
アンパンマンのつづなりのスナックを
籠の中に見つけたときが
一番嬉しかったようで

まるで父親に甘える
娘にでもなったかのようでした。

彦もそんな風に
あゆを喜ばせてやりたかった。

小学生の時
上の階の同級生のお母さんと
駆け落ちした父親の代わりをしてやっても
いいじゃないか

彦は純粋にそう思っています。

25歳の熟した女を抱いて
マッサージで全身を揉みくちゃして

ラブホの帰りは
湯葉と鮪の刺身と
アンパンマンのスナックを買う。




こんな全てが

ラブホな会話から
流れ着いた男と女の
とりとめのないデートの形




なんですね～







彦甚尽～（´ 3｀)