昨日は滋賀県に出張で
わが社の最長老のＫさんと
早朝から出掛けてました。

このＫさんは
おん年76歳ですが
その辺の若い者には
ひけをとりません。

体力気力など
僕でもかなわないことがあります。

特にすごいのは
いくら長距離運転をしても
苦にせず延々と走り続けることです。

それでも～
やっぱり爺だし
疲れさせてもいけないと思って

「そろそろ2時間だし、
　　運転かわりましょうよ！」

って言っても

Ｋさん
「まだもうちょっと
　　　大丈夫です！！」


なんて言いながら
ある時は
とうとう大阪から群馬まで

行っちゃったこともあります。(^^)

ななな
なんなんだ？
このパワーは？


昨日の出張は
片道がおよそ2時間ちょいですから
当たり前のように往復してくれます。

実は
このＫさん

数年前に胃ガンで
生死をさ迷い

胃を全摘して
脾臓、膵臓、胆嚢
そしてリンパ腺まで

全部とっちゃったんです。

つまり
有るのは

心臓、肺、肝臓、腎臓、
そして十二指腸～（´ 3｀)

これだけなんです。

おい？

それでも
生きていけるんだ。

生きてるだけじゃない

仕事もバリバリ
他の誰よりもよく動きはります。

て言うか
本人に言わせると

じっとして居られない
動けることが嬉しいのだそうです。


Ｋさんには
抗がん剤で体力を削がれて
数ヶ月寝たきりになった記憶が
強く残っているんですね。

その頃
天井を仰いで

（自分はこのまま
　動けないままで死ぬのかなあ？）

なんて
絶望して

それでも
（なんとか動きたい）と
ただひたすらに
そう願ったそうです。

それから
まさに亀が足を出すように
足を動かし始めて
てを出して何とか
起き上がり

一歩二歩
外に出て
100歩200歩

なんとか半日以上歩けるようになって
わが社の求人広告を握りしめて
面接に来られました。

（そんな状態で来るなよ！）

正直そう思いました。

見るからに力がなくて
肌は抗がん剤の影響で紫色に変色し
免疫力が低下してるのか
擦れて剥がれた肌のあとが
ケロイドになっていました。

その時の体重は
38㎏だったそうです。


ただひとつ取り柄は
目が強く光っていて
真剣そのものだったことです。


そして包み隠さず
こう言いました。

「３ヶ月寝たきりでした。
　ここまで動けるようになりました。
　これからは動けるだけじゃなくて
　動いて仕事もできるようになりたい。
　お金は幾らでもいいから
　なんとか使ってもらえないか」

普通ならだめでしょ
どこに行っても仕事はないでしょ

こっちも慈善事業やないし、、、
対応に困りました。


結局・・・
断りきれなくて
本人も駄目もとでいいから

暫く様子を見ましょう
ってことになりました。

申し訳ないけど
多分続かないだろうって
思ってました。


25㎏の品物を持ち上げるのがやっとで
持って歩けませんでしたから・・・

軽トラックのハンドルが重くて回せない。

胃がないので
絶えず水とお菓子を食べて
栄養補給をしないとだめでした。

事務所の棚が
ミネラルウォーターとお菓子で
溢れてましたね。(笑)

一見ヤバイでしょ

ところが

Ｋさん

スローでも

無駄に休まない。


気がつくと
いつの間にか
工場が片付いている。


まず
ゴミが貯まらないんです。

その日のゴミはその日のうちに
分別して処分してはりました。

事務所の中は
お菓子だらけなんですけどね(笑)

そして
1ヶ月２ヶ月～～～半年が過ぎて

これまた気づくと
持つのがやっとだった25㎏を
どんどん運べるようになってはりました。

紫色だった肌の色も
健康的な肌色になって
体重は50㎏になってました。

それから数年
今では一番の働き頭です。



それにしても



膵臓がないので
膵臓がんを患うこともなく

胆嚢がないので
胆石で苦しむこともなく

脾臓がないので
脾臓が破裂することもない。


かえすがえす
凄い爺さんやなって思います。