時の流れは
ひとりで見過ごすとぬ
矢のように飛び去っていく

それを
2人で見送ると
心のど真ん中に命中する。

そして共に振り返れば
鏡にはお互いの姿が映る。

レイコ
「もうじき
　一年になるね。」

彦
「そやな
　僕らが出会って
　一回目の記念日は
　11月の２０日でいいよね」

それが
ワクワクだったことを
僕らは否定しない。

その事を
僕らは否定的に
思わないでおこう。


五度目のデートの時
そんな風に話し合いました。

結局誰だって
事情があって

時には
好奇心であったり
つい魔が差して
お金目的だったり
ムラムラと浮わついて
只のヤリモクであったり

偶然であれ
必然であれ
目論んだものであれ

出会いという
事実に変わりはない。

その動機なんて
とるに足りない。

隠したい事があれば
嘘すれすれに誤魔化せばいい。

忘れたいことがあれば
新しい思い出に入れ替えればいい。

これがそのまんま
今のレイコと僕との
関係になっています。

そして
ラブホの
お風呂の湯溜まりでは
互いの体を念入りに
洗いっこして。。。

ベッドでは
レイコの創る水溜まりに
身も心も汗まみれに溺れる。

多分
男と女の心には狭くて深い
満たしきれない水溜まりがあって


そしてそこで
出会ってしまった
僕らは

指で刺した小さな波紋で
体中を濡らしてしまう。


飽きることなく
愛撫する男は
女を狂わせ

恥じらいを捨てて
何度もいく女は
男を虜にする。

ワクワクから始まった
レイコと僕は

安い焼肉の食べ放題を境に

ｷｭｰｽﾞﾓｰﾙやﾕｰﾎｰｷｬｯﾁｬｰ
ｵﾀﾛｰﾄﾞやﾗﾌﾞﾎの徘徊やら
ﾏｯｻｰｼﾞやｶﾗｵｹで楽しんで

いつのまにか
もうちょっとで
一年目の記念日を
迎えようとしている。

最近は2人でジムに通って
プロテインを飲んで
体が欲する赤肉を
貪り喰う。。。

二人は
何時しか
会うたびに
5時間から8時間と
彷徨するようになりました。

今となっては
レイコはその殆どを
さらけ出しているのに

僕は歳を55歳と誤魔化している。
そのことさえ
一回目の記念日に打ち明ければ
嘘偽りなく露になれます。

その事で
もしかしたら嫌われるかも
知れない。。。

24歳になって
間もないレイコと
60歳をとうに過ぎた彦が

まるで亜空間を漂う
プランクトンになりました。




彦甚尽～(´・ω・`)

時間は重力