令和に入って
5回目のラブホでした。

久しぶりに水溜まりができ
アシュトレイにワンコインを入れ
水溜まりの上に置いて
部屋を出ました。

結構な水溜まりでした。

「えっ？えっ？
　　わたし、こんなに？」

レイコは身体を起こして
他人事のように呟きました。

彦は
滴りでキラキラする中指と
それと備え付けの電マを
術後のドクターのように掲げて

目を細目ながら
レイコにこう言いました。

「大きな
　水溜まりが
　できたね～(^^)」

レイコは恥ずかしそうに
お尻で後ずさりして
急いでバスルームに駆け込みました。

彦は
レイコの姿が
見えなくなるのを確かめて
中指を鼻にあてて臭いを嗅ぎました。

（あ～無臭だ。。。）

つい最近まで
デリケートゾーンのトラブルで

赤くかぶれたようになって
織物のせいか匂いがして
少し気になっていたからでした。

それに前回は
生理前と直後だったので
心配でした。

その時彦は
その臭いをあえて
鼻に擦り付けて吸い込みながら

（よくも悪くもこれが今のレイコの
　　状態でこいつの匂いなんだ。）

そんな不思議な呪文を
頭の中で唱えていました。

だから
この時は
以前のように
無臭にもどっていて


内心ホッとしていたのです。