是れ以上其れ以上(年末一寸エッチな特別編)
50代半ば  大阪府
2021/12/30 20:50
是れ以上其れ以上(年末一寸エッチな特別編)
もう
これ以上は無いのかも

女を抱きしめながら 

そう思った。

うっすら開いた瞳の奥に

突き上げる自分の姿が見えた。

こんなに熱く溶け合うことは
この女以外とは無いのかもしれない。

その一縷一縷が
自分の中の男の存在に
そう呼びかけている。

一心不乱

女は何度もイクと言い
男は弛まなく女を貪り続ける。

この時期
ホテルの空調は
暑くもなく重なれば寒くもなく
男と女にとって最適だった。

「ねえ、ヒコちゃん」

女は乳房を掴んで
差し出すように身悶えた。
 
麗はスイッチが入ると
全身が拒否権を喪失して
ただただ高みへと絡み続けた。

男は恥ずかし気もなく
耳元で女の名を連呼して
息をするのを忘れたくらい
キスをしたままで壊れる程抱きしめて
絡みついた少しの隙間で愛し続けた。

雁字搦めの一体感。

これほど相性の良すぎる女に
出逢ってしまった。

色んな意味で幸せであり
焦りもある。

思い起こせばそうだった。
こいつと出会ったからこそ
バセクトミー(パイプカット)をした。

なんの躊躇も憂いもなく手を繋いで
一つの高みに上り詰めることができる。

ある意味
とてもシンプルな営みが
至極の行為となっていた。

それは
繰り返すほどに
グレードアップして
息も絶え絶えになり
賢者モードから聖者モードへと

軽く重なり合ったままの
おんなの胸がおとこの腹が
治るまで触れあっていた。

「いつもオーバースペックで
  死んじゃいそうて言うか
  早死にするかもしれないね」

「わたしももう
グダグダなってまたわ」

全力疾走
動けない。

そして男は
開き続けていた女の股関節を
元に戻すのように揉みしだきながら
ゆっくり息を調える。

踝(くるぶし)か股関節のリンパ腺まで
なんども絞り上げ親指でつけねを押さえると

「うぅ~」

気持ち良さげな女のうめき声で
男はなぜか罪滅ぼしをできたような
〆の赤だしをすするような気がした。

女を縛りつけたわけでもない
苦しめたり痛めつけたわけでもない

ただなんとなく
荒ぶれた本能のままに
自分の異物で女を蹂躙したようで
それ以上労わりたくなるみたいだった。

<<是以上其れ以上>>
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