明美は泣いてばかりいた｡

名古屋市内にある喫茶店の2階で､

来る日も来る日も泣いていた｡

どうするの？明美？

ﾍﾞｯﾄﾞにうずくまった明美の頭上から

いつもそんな声がしていた｡

もう独りの明美だった｡

信じていた彼はいない｡
誰にも言えない｡
でも私のお腹には･･･
間違いなく私の赤ちゃんがいる｡

中学生の頃から書きつづっていた明美の日記には､

つらくて耐え難いこの頃の心境が､

切なく残されていた｡



ｺﾞﾒﾝﾅｻｲ｡

僕は明美とつきあいだして､

彼女のｱﾊﾟｰﾄに通うようになった頃･･･

夜のﾊﾞｲﾄで遅い明美を待つうちに｡｡｡

明美の日記をみつけてしまいました｡

そして夜な夜なよみながら･･･

日記とともに泣いていたのでした｡

そして･･･
明美が夜遅く､
お酒にまみれて帰ってくる｡

明美がﾊﾟﾝﾃｨｰひとつになって

狭いﾍﾞｯﾄﾞにもぐりこんでくるのを､

僕は寝たふりをして待っているのでした｡

なんの取り柄（とりえ）もない貧乏な学生の恋物語のはじまりでした｡

明美の日記は･･･

僕を悲しみの湖に溺れさせてしまいそうなほど､

深い涙であふれていました｡




･････つづく