それにしても･･･
ｸﾛｯｷは変な奴だった｡

ESSの部室は､汚いﾌﾟﾚﾊﾌﾞの２階の一番ﾊｼﾞｯｺにあったのだが｡

ｸﾛｯｷはよほどそこが気に入ったのか･･･

いつのぞいても彼がそこにいた｡

ここで寝起きしているのでは？

と思えるほどここにりびたっていたのだ｡

外だ彼の姿を見かけることはなくて､

そのくせに真っ黒に日焼けしているのでょっと聞いてみた｡

｢ｸﾛｯｷてな？
いつも閉じこもっていて､なんでそんなに日焼けしてんや？｣

半分ｵﾓｼﾛおかしくからかうつもりだった｡

すると､ｸﾛｯｷはしきりに黒い頬をこすりだして･･･

｢えっええｰ？
そｰかｰ？俺･･･
うまれたときからこんなんやけど･･･？｣

自覚がないようだった｡

聞かれたことには一生懸命に答えるのだが･･･
どうも焦点があわない｡

いつしか､

ｸﾛｯｷは部室のﾌﾞﾗｯｸﾄﾞｰﾙのよで･･･
（ﾏｽｺｯﾄというのではない｡）

ｸﾛｯｷがそこにいようがいまいが

だれもあまり気にもしなくなっていたみたい｡　　＞＜;痛い


ただ･･･
僕や優衣ちゃんは同じＥｸﾞﾙｰﾌﾟだから｡

社交辞令で話す程度ではあるが｡｡
唯一彼の話し相手をしていた｡
（したくなかったけど･･･）


････

当時､僕には楽しい仲間や惹かれる人､

気になる人が一杯いた･･･

それなのに？
なぜか･･･

ｸﾛｯｷＴがすこし引っかかる存在になってしまっていたのだった｡

あまり絡みたくはなかったのだが･･･

Ｅｸﾞﾙｰﾌﾟに入ったばっかりに（涙）


ESSのEｸﾞﾙｰﾌﾟには５人のﾒﾝﾊﾞｰがいた｡

ﾘｰﾀﾞｰというのが又変わった人で｡｡｡

背丈が180ｾﾝﾁ位あり､

ど派手なﾁｪｯｸのﾌﾞﾚｻﾞｰに

これまた恥ずかしいようなｽﾄﾗｲﾌﾞのｽﾗｯｸｽ｡

分厚い英字林を小脇に抱え
颯爽と歩く｡

ｸﾛｯｷとは対照的的に白くて､､､
強く張ったｴﾗで笑顔が絶えない｡
そんなｴﾗ男先輩は､

僕達ﾌﾚｯｼｭﾏﾝにいつも妙な儀式を強要するのでこまったものだった｡｡

英語で

Let me hear E!（俺にEをくれ！）

ｰそしたら僕達が大きな声でEと叫ぶ｡

それを繰り返して

ｴﾘｰﾄ!! （élite!!）
といわせるのだ｡恥ずかしい

そこで､

いつもお約束のようにｸﾛｯｷが引っかかる｡

ｸﾛｯｷは｡

いくらがんばっても｡

大きな声を｡

出せないのだ｡

しつこい先輩はｸﾛｯｷに何度もﾘﾌﾚｲﾝさせる｡
これはある意味先輩の思いやりではあっのだが｡

それにしてもしつこい｡

､､､で結局僕が

ももええやんか
先輩？

という｡

するとｸﾛｯｷは……
おきまりの困り顔で
ﾃﾚ笑いをするのだった｡


､､､っづく｡