もうひとつ・・・
ワンカップ大関が机の下にころがった。
クロッキのため息がまたさらに深くなったような・・・
(なんで?
きみをクソッカスに扱うあの、、、
はなもちならない女の為に・・・?
そんなに落ち込めるんや????)
僕は届かない声でクロッキに問いかけていた。
彼にはそのような発想自体ないのは解ってた。
ぐじぐじと女々しいお人好しの・・・
天然いいやつだ。
何も言っていない、何もしていない
のっけから独り相撲のクロッキに?
勝手気ままなチエ先輩に?
スーパー外野席のぼくが不覚にもため息をついてしまっていた。グググ
まっ。。。ええやんか。
クロッキはつぎの一本を開ける寸前に寝てしまい酔った。
ほっといて帰えろ
・・・・・
それから暫く経って、
すべて平穏に?
思えた。
それぞれに身を焦がした熱い夏も終わり・・。・
朱色の秋がやってきた。
僕は小柄で可愛いアンパンとの恋に夢中になっていた。
ごめんね。
クロッキのことはすっかり念頭に無かった。
ESSも適当だったし。。。
そんなある日・・・・
クロッキがみちがえるように明るくなって、社交的なナイスガイになってあらわれたのだった。
道行く知人に声をかけ、
二言三言社交辞令をかまし、
愛想をふりまいている。????
(えっ?
どないしたんやろ?
クロッキの奴、なんかええことでもあったんやろか?)
それはあたかも選挙運動でもしているようであった。
・・・・
うきうきそわそわと・・・
どことなく落ち着きの無かったフレッシュマン達も、
ようやく水を得た魚のように潤(うるお)いだしていた。 (うるうる)
熱い日差しで焦がしたお肌も・・・
あたかも脱皮して生まれ変わったように水水しい・・・
そしてキャンパスのここかしこには、
仲良しグループの花の輪が咲いていた。
みんな楽しげだ。
もうすぐ始まる学園祭の話や打ち合わせでもちきりだ。
僕の彼女も女友達有志で
おうどんの店を出すらしい。
実のところ僕はこのような祭りやイベントは苦手で・・・
スーパー知らん顔をきめこんでいたのだが・・・
社交的なあんぱん嬢にひきずりこまれていた。
(ああ、めんどくさい。ほかの女ともしゃべりたくない。)
若い僕は結構我が儘だったのだ。
とりあえず彼女たちが開店中、
僕は食べる心配はしなくてすみそうで・・・
それだけがうれしかったのだ。
なにもかも・・・
流れる秋雲のように平和だった。
でも・・・
僕には、数日前に見た例のクロッキの変貌が、、、
なぜか
妙に気になっていた。???
そんな思いもあって
いつもそれとなく見渡していると・・・
えっ?
で・・・クロツキは?
華やいだキャンパスには見あたらない。
そういえば、景気よく挨拶しながら闊歩していくわりには・・・
そのまま素通りしてどこへともなく消えていた。
そんなことがあってから。。。僕は、
毎夕部室のあかりが・・・
60Wの貧相な電球が・・・
部室にともっているのを見守るようになっていた。・・・・
みんな忙しくて部室になんぞ立ち寄るはずもなく・・・
それは奴にちがいなかった。
・・・・つづく
コメント
2011/07/16 9:59
1. o(^-^)o ワクワク
結構ハマるね
楽しみしてるよ
白うさ可愛い
返コメ