世の中には・・・しんじられないかもしれませんが・・・こんな男っているんです2話
早朝、
工場のスレード屋根に雨が激しくあたっていた。
妊婦ははちきれそうなお腹を辛そうにおさえている。
お腹のてて親が蒸発?って
・・・慰めようがない。
というより・・・
僕はこの状況をいまいち飲み込めずにいた。
とりわけこの朝は、
10時に群馬県からお客さんが打ち合わせにやって来る。。。
僕は気ぜわしい状況の中で・・・(忙しいのに)
痛々しい妊婦の眉間に釘付けになっていた。
実は、かの従業員ーーー去年にも一度だけ無断欠勤をして雲隠れしたことがあった。
その時の原因は・・・
住所変更・・・だった。
そもそも彼は2年ほど前に大阪にいる姉夫婦を頼って、
それまでの名古屋での生活を捨てて流れてきたのだった。
名古屋ではとある材木店の婿養子に入り、
生前の嫁と仲むつまじく暮らしていたという。
そして失意のままこちらでもその姓を名乗っていた。
彼曰く・・・
『末期の脳腫瘍で女房を介護の甲斐もなくなくして、
義理の父もなくなりこっち(大阪)へ来ました。』
そして彼の出自についてとかくされるのを極端に嫌った。
おそらく何かある。
ぼくもそう感じてはいたが・・・
今をがんばっている彼を見て、
あえて見て見ぬふりをしていたのだ。
・・・がしかし。
ともに過ごす女性にとってはそんなわけにはいく筈もなく。
彼が出奔する前日、
そのことで妊婦の母親達からきつくつきあげられたという。(いかんともしがたい)
そんなこんなを話している内にも・・・
妊婦の姿勢はどんどん低くなり、
とうとう座り込こんでしまったのだ。
だって我が社は物作り三昧の男所帯で、、、
いたるところにツールやら部品やらで・・・
座ってもらえるような気の利いた場所がない。
女性一人を事務所に引き入れるのもはばかられた。
(まいる)
辛そうな女性を見るとついさすってやりたくなるのも・・・
(こまる)
しばし弱り切った沈黙のあと・・・
彼女がおもいたったように
その母子手帳でも入っていそうなモノ入れから、
四つ折りにした婚姻届を取り出して見せた。
きつくひどく彼をののしりながら・・・
彼が署名した婚姻届を出して見せた。
・・・・つづく
コメント
2012/03/22 18:25
4. >きょーたさん
世の中・・・
ままなりませぬ。
きょうさんやさしいね。
返コメ
2012/03/22 18:23
3. >あかぎさん
まじっす。
よん。
返コメ
2012/03/22 12:30
2. こんにちはヾ(=^▽^=)ノ
一転、ハッピーエンドを期待します
返コメ
2012/03/22 11:50
1. まじか…
返コメ