『仕事に行ってきます｡』

と言って家を出たきりかえってこない｡｡｡

そんな男の子どもを宿してはや８ヶ月､

妊婦にしてみれば､

ひょっとして会社には来ていまいかと､､､

一縷（いちる）の望みを抱いて我が社へやってきたのだった｡

早朝､雨の中をさぞ冷たかっただろう｡

どうやら今度ばかりは本物のようだ｡

蒸発？

逃避行？

･･･が･･･彼は･･･

つい先日まで

女の子が生まれると名前まで考えてほくそ笑んでいた｡

小田原へ出張の折には家族やお世話になっている隣人にと､

前借りまでしてお土産を買いこんでいたのに｡｡｡

そして蒸発した日のお昼には､

色々と使ってみたい工具があるからと

最近出来たﾜｰｸｼｮｯﾌﾟではしゃいでいたのだが･･･

あれは？

いったい？？？

何だったんだろう｡

もちろん自分の子どもまでほっぽりだす男だから､

仕事の都合など･･･取るに足らないことなんだろう｡

しかし･･･

それにしても妊婦の言いようも驚くほど薄情なものだった｡

｢ｏｏさんは･･･
支払いがあるのが解っているのに
お給料みんなもっていってしまったんです｡｡｡｡
本籍もちゃんとしてくれないし､､､
そんな男の人信用できないって母にも言われて､､､
怖くてあの人の田舎になんてついていけないでしょ？｣

あまりにも人ごとのように言う妊婦に

僕は思わずまた聞いてしまった｡

｢たしかにそうやけど･･･
例え素性は解らなくても･･･
君のお腹の子の父親にはちがいないんやろ？｣

愚問であった｡
｢はい｡
でも子どもの父親ならなおさらお金を持って消える何て､
おかしいでしょ？｣

僕にはこの関係までもが･･･

ますます理解できなくなっていた｡（混乱）

そして彼女が言い放った｡

｢世の中には｡｡｡
社長さんのような人には
信じられないような男の人って･･･
いるんですぅ｡｣

僕は若い頃には色んなところを裸で放浪して､

人の憐憫にふれ旅してきたものだが･･･

この女性にもかなり信じがたいものがあった｡

とはいっても･･･

このような突然の訪問が､

僕にかなり迷惑の上塗りをしているの承知していた女性は･･･

彼女の携帯番号を書いてよこし

ようやく重い腰をあげてくれた｡

｢社長さんにはすごく良くしてもらって､
頼りにもしていましたから･･･
きっと連絡してくると思いますから･･･
教えてくださいね｡｣

そして傘繕いをし始めた｡

（ほっとけないし｡＞＜;）

今にも群馬からお客さんが来そうだっが･･･（ほっとけない｡）

｢あっ？待って､､､送っていくよ｡＞＜;｣

妊婦さん遠慮して断ってぇくれないよね（笑）････ははは｡

かくして･･･

彼女をｱﾊﾟｰﾄまでおくっていったのでした｡



････つづく