互いを隔てる

しずかな装い


スチームで火照った身体を

白いバスタオルに包み

ベッドの右側から滑り込む



おんな



少し身のついたお腹を

恥ずかしげもなく露(あらわ)にして

掛け布団を

三角にはだける



おとこ



2カ月のブランクを待ちわびて

待ちきれない男の辛抱を

まだ痛む手術痕を庇いながら

開脚する女


はやる想いで腰を浮かす男


そんな

気持ちと欲望を

天秤にかけるような儀式があって

ようやく

いつもの

嵐の前の


おんなとおとこの風景に

辿り着いた。


念入りにカミソリをあてた

おとこの頬と


いまだお手入れができていない

のびかけのおなの心の隙間


互いを埋め尽くすのは

腫れ上がったおとこの理性と

それをSモドキにみさだめる

おんなの秤(はかり)



そして

一週間後の

膨らみが

さらに新しい出会いのように

より深いため息を

受けとめる。



～そんな
～おんなと
～おとこの
～風景～