この女と付き合いはじめて
3年ほど経った頃だった。


いつものように………

風呂上がり

湿った肌を燻(くゆ)らせて

女の小さな声が

男の耳元をかすめた。

『あたし
愛人の子
やねん。』

唐突

聞いた訳でもないのに

ずっと胸につかえていたのか

わだかまりを吐き出すように

おんなが呟いた｡｡。

そんなこと
男にとってどうでもいい
身の上話だ。

でも
そこには
心のベールを一枚はだけた
女の砂鉄があった。

そんな
白い肌で隠していた
女の悔しさやうらめしさが

男の琴情に響いた。

『おまけに
あたしが小５のとき
マンションの3階上の
同級生のおかぁさんと
駆け落ちしよったわ(笑)』

どうしようもない父親だって。

当初不動産で
羽振りがよかった父親が
商売の陰り始めた頃
愛人(女の母親)と子供をを捨てて
さらに駆け落ちしたという


おい？

そんな話聞きたくないわ。

それでなくても
down症の妹をかかえて
女の生い立ちには
辛い要素が多い。

それがグレて暴走する
理由にはならない？

十分言い訳になるでょ！

近隣のコンビニは全て出入り禁止

どんどん
荒ぶれて仲間たちと暴走

挙げ句に付き合っていた男を
ハサミで
刺した。

中１だった。

そこから施設で丸2年。
そのあと定時制高校も落ちこぼれ

いまだ未成年の身で
夜職で家にお金を入れる


おい？

そんなお話しは

聞きたくもないやん。


だが


これが3年もかかって
ベールを少しずつ脱いで
文字通りスッポンポンになった

ヘソピにパイパンで

ビッチな女の素直な姿だった。


(^^)ぅ～