心療内科の待合室

キティーちゃんの
ぬいぐるみが

こちらを
それとなく
見ているような

そして
囁くように
サイレントミュージックが
待合室をとき解(ほぐ)す

歯医者さんの待合室も
こんな似た感じやけどー

あれとはまた
ちょっと違うみたい

不安を取り除くムードで
またはそんなでは
取り除けない不安を
優しいガーゼで覆うような空間？

ああ
そうやね
心を癒すクリニック

ですね。

それが僕にも
何となく解る気がする。

その部分では僕もきっと
じぶんでは気付いていないような

心のササクレがあって

そんな自分を見詰めているのかも
しれませんねー～( ´△｀)

まぁー

このような所には今まで
来たことないですから

たまたま来る者にとって
このような非日常的な感慨が
沸き起こるのかも

しれません。

でもー実際

彼女にとってあの
空間は

見ず知らない他人との同室自体が

すでに

しんどいようでした。

その時
ふと頭をよぎった光景があります。

車で信号待ちの時
たまたま横断していた
熊のような男の子を見て

彼女がつぶやきました。

『あの子ー 可愛いー！』

本当に
愛しそうにそう
繰りかぇしました。

良く見ると
大きな図体ににあわず
その少年の目が

明らかに
ダウン症のそれでした。

僕などは
ダウン症のお子さんを
連れてる親御さんをみかけると大抵

ああー
親御さんは世話が大変だろうなぁ～

とかって
そんな風にしか思えないけど～

彼女が
ダウン症の子を見かけて

本当に好きみたいで
親しげに

可愛いを連発するのを聞いて

なんかはっと
しました。

それは
彼女の妹がそうだから
誰よりもよく知ってるんですね。

『ダウン症の子はなぁ～
みんな優しくてーいつも気持ちを癒してくれるねん。』

そんな風に言えてるお前が
なんで
こんなに心をささくれさせて
しもたんやろう。

躁鬱を繰り返すのを
目の当たりにしてきた僕には

なんともしがたくて。。。

せめて
切り絵のような優しさで
接するくらいしか
できないんですよ。

つまり
僕も彼女も
そんな

心のクリニック

なんですね。