それは

世間的には
おバカさんの評価でしょう。

でも
その人の思い入れに
目をやれば～(・_・)

一途でストイックに
映るかもしれません。

これはそんな

おバカさんで
一途に犬を愛した
人のお話しです。

その人とは
僕の生涯で無二のお友達でした。

彼は
今から5年前
末期の大腸癌に犯され
僅か1年の余命宣告を
受けたのでした。

僕にとって
彼は
それまで
仕事を通じて
苦楽を共にし
互いの紆余曲折を揶揄し
時には支え合い
時には罵倒し合った人でした。

昨日のお墓参りの帰り道
なぜかふと～(・_・)
今はなき彼のことを
思い出したのです。

それはなんとも
切なくて
懐かしい記憶なんです。

彼が余命宣告を受けて以来
僕達は頻繁に会うようになりました。

僕は彼のお店に
エアーツールや電動機器等を
仕入れるたびに足を運び

彼は彼でたとえボルト一本でも
こまめに
我が社に配達をしてくれたものです。

そんな彼には
親友の僕や
家族より大切にしている

愛犬がいつも

そういつも
朝昼晩ずっと寄り添って離れない
愛犬がいました。

名前はベル

背中は真っ黒くて
眉間に白い筋があって
それとお腹も真っ白なワンコでした。

僕は彼のあれほど息の合った
人と犬って
見たことがありませんでしたね。

彼が何か吠えれば
それを必死になって探る彼女(ベル)
彼女(ベル)が目で語りかければ
人間の言葉で返す彼。。。

ほんと
一心同体ってやつでした。(笑)

なんといっても
一年の余命宣告ですから
彼の健康も日に日に衰えて

それでも
ほぼ奇跡的に
2年も頑張ったのですが

いよいよ寝たきりになり
正気を保つためのステロイドで
全身が膨れあがりました。

その頃でした

かれには心残りだった
次女の結婚式を
せめて彼の存命中にとの

家族の願がありました。

その時タイムリミットは
もうあと2カ月でした。

ところが…

その時彼の口から
だれもが耳を疑うような
最後の望みが

あったんです。

それは
娘の結婚式に
彼の愛犬ベルを一緒に
出席させてほしい。

ベルにも家族として
出させてやりたい。


でもね
それを聞いて

彼の家族達も
決してバカなことだとは
おもいませんでした。

みんな彼の気持ちを
知ってましたから。。。

そしてそれから
誰よりもかれの娘が
動物も参列させてもらえる式場を
なんとか
探しあてました。

ただし
予約可能な日は
あと２ヶ月後の4月の仏滅でした。

どんだけその日を
楽しみにしていたことかー

あと
6日でした。

あと6日。。。

衰えだしたら
加速するように
時間は彼を連れ去りました。


それからほぼ一年後
ベルまで全身に腫瘍に犯されて
この世をさりました。



あいつら
あの世でまたいいコンビやってる

そんな風におもいます。


ほんとに
あいつらに会いたくて
しかたありません。