50代半ば  大阪府
2014/12/16 7:49

これは
つい先日に起こった
出来事です。

これはその
ほんの2時間ほど前から始まって
あっという間の出来事でした。

そして警察の方が
ようやく目尻を緩ませて
とても労るようにこう言われました。

ご協力
ありがとうごさいました。

これであと
通常にお戻りください。

そう言って
鑑識の方達2名と帰られたのです。

その時
急遽駆けつけた女房と
ただ呆然と

えっ?嘘やろー?

なんかほかにもっといい
解決法とか結末が有るのでは?



すでに片付いて
ふりかえっても数秒も戻らない
現実を目の当たりにしていました。

ぼくが目の当たりにしたのは
無情に命が途絶える瞬間
でした。

ぼくは何がなんだかわからないまま
産まれて初めての
心肺蘇生術をしていました。

それは
テレビドラマなどでよく見掛ける
光景でしたがー

どれくらいの強さで
おさえればいいのか?

おさえるスピードは
こんなんでいいのか?

悩んでる間もないほど
OOさんの容態は深刻で

顎が硬直し呼吸が微弱で……
それが尋常でないことは
素人のぼくでもわかりました。

ぼくは
彼の胸を繰り返しおさえながら
彼の名前を呼びました。

OOさん息をして!

やっと
救急車が到着して、

隊員たちが
雪崩れ込んできて
心電図の装置をつないだ瞬間

なぜか舌打ちに似た表現をされて、
ぼくは不安になりました。

心電図の下の波形が大きく乱れ
上の波形はピーっと一直線に
なっていました。

いやな予感がしました。

兎に角
ぼくもそのまま救急車に乗り込んで
彼の奥さんの連絡先をさがして
財布や携帯電話をまさぐりました。

隊員のひとりが
彼の服をハサミで切り刻み
車両の揺れで点滴を何度も
失敗していたのに苛立ちました。

彼が
『あれ?めまいがー
むかむかするー
なんかフラフラするわ』

そう言って作業していた僕の側に
静かに横たわってから
20分程経っていました。

やっとの思いで辿り着いた
処置室でしたがー

医者達の動きは緩慢でした。

電機ショックとか
呼吸器の挿菅とか
アドレナリンの投与とか

救急救命の緊迫したシーンでは
ありませんでした。

首をかしげて
腕組みをする医者
思い出したように
心肺蘇生をする医者


追い出されて遠目から見える
OOさんの足がゆれてました。

もうすでに
20分以上は経っていたはずです。

『御家族の方が
こちらに向かわれていると
言うことなんで、
お見えになられてから
ご説明します。』

看護師さんが伝えに来ました。

・・・・・・

それからさらに数10分後
奥さんにOOさんの死亡宣告が
伝えらました。

奥さんは
そんなん信じられへん!
嘘やそんなん絶体嘘やん!
そう繰り返すばかりでした。

現に直面した僕も
奥さんにしても

間際までなんの兆候も予告もなく
まさに突然の出来事でした。

そんなんありえへんわ!

そう言いながら
OOさんの体を
さすり続けてはりました。

時折来る看護師さんや
その後きた警察の鑑識の方達にも

嘘でしょ?
なんとかなりませんのん?

すがるようにたずねられていました。
それは
言葉に出せないでいる僕も
同じでした。

死因は
心筋梗塞で
警察からの報告では
眼球などには充血のあとが
一切なくて

発作後4~5分で心肺が停止して
苦しむまもなく逝かれた

そのような説明でした。




人の命



それはこんなに

一瞬で拙いもの

OOさんはただちょっと
目眩がして横になったまま

そのまま眠ってはります。

彼はもの作りが大好きでした。

好きなことを仕事にしてる人って
どんだけいてるやろう?って

よくそんな風に言うてはりました。

ひょっとしたらまだ
あの場所てそのまま
仕事をしてはるような

気がします。

不謹慎かもしれませんが、
ずっとあそこで
楽しい仕事をやりに来て欲しいって

彼を惜しんでいます。

ほんとに命は
呆気なく儚い

でもぼくには
ぼくの手の中で
死んでいった彼の命を

あの仕事場に感じています。

あそこで
彼に
サボるなよっ!て

見守られているようで
逆に励まされているように

おもえてなりません。

と同時に
もっとうまく
心肺蘇生術ができていればって

そんなおもいも頭をよぎります。
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コメント

70代以上  香川県

2014/12/16 8:04

2. おはようございます。切ないよね!、、人の命は、、、でも、残念やけど仕方ないかな、、常々、自分の健康には、気をつけないとね!

50代前半  千葉県

2014/12/16 8:03

1. お気持ち察します。

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