アメリカンドリーム物語~①
50代半ば  大阪府
2015/04/16 2:17
アメリカンドリーム物語~①
ともは
ユキちゃんと
船でロサンゼルスに渡ってきた。

日本に居たときも
ここに来てからも
これまで
ともはユキちゃんと
いつも二人っきりだった。

ともがユキちゃんを支えて
一年が経ち
やっとのことで
ロス郊外に
ガレージ付きの一軒家を借りていた。

一階部分がガレージになっていて
毎週月曜日になると
バンド仲間がやって来る。

ゆきちゃんは
サンセット通りにある
場末のクラブハウスで
ロックのライブをしていたのだ。

メンバーは
リードギターとボーカルのユキちゃん
ドラムの五郎ちゃん
サイドギターとボーカルのケン
そしてベースのリカルド

彼らのおはこは
ドゥービィーだった。

夕刻5時になると
鉄格子で閉ざされていたクラブハウスの
扉が開く。

未だ明るい通りから
この扉を潜るとそこは
薄暗いダンスホールと
壁際のボトルだらけのカウンターと
コーナーにギューギューに押し込められた
かれらのステージがあった。

かれらが軽く音合わせを済ます頃には
ホールにはすでに
踊りたくて破裂しそうな客で
溢れている。

バーボンではしゃぐ若者
マリワナでハイになってる者
コカインで冴え渡っている者

それはまさにカリフォルニアの
自由に麻痺しはじめた
若者達のるつぼでもあった。

それでも
ネイティブたちは
その歓楽を全身で享受している。

少なくとも
アメリカンドリームに
心奪われたものにはそう写っていた。

ユキちゃん達は
そんな叫び声を音にして
ドゥービィーの
かろやかなリズムに乗せていた。

それはまさに
ユキちゃんを含め他のメンバーにも
それぞれの事情をカバーした
シャウトでもあった。

それぞれの事情

それぞれの見果てぬ夢

ある者には
故郷をはなれ
渡ったアメリカに永住する夢

それがユキちゃんとともの夢。

ある者には
日本でメジャーになってしまった
恋人との暮らしにいたたまれず
望郷しながらの逃避行

それがマリワナにどっぷり浸かる
パーカッションの五郎ちゃんのノスタリジー。

ある者には
スタジオミュージシャンに
限界を感じて
ただ漠然となにかを探すための旅にでた。

それがベーシストのリカルドの焦燥の旅。

そしてある者には
三世として生まれながら
母国の呪縛と疎外に悩む者・・・

それが昼間は郵便配達にあけくれる
ケンの憂鬱。

まさにみんなそれぞれだった。


でも
軽快にギターを弾くユキちゃんの腕が
Tシャツをまくると
染め物工場のきつい染料で
ひどく痔れていることなど

誰も知らなかった。




続くぅー
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コメント

50代半ば  大阪府

2015/04/16 19:01

4.  >>3 初代カッチ組長さん
三年たてば
浦島太郎になったかもですね。(笑)
体でかいんやから暴れるときは
控えめにしないとねぇ~(´・c_・`)
いきなりエロ日記全開やん。
ロックもジャズもすきですよぉー。
ていうか
DJチーフっていかすやん。
う~(*´-`)

2015/04/16 17:35

3.  >>2 彦散人さん
ドゥービー知ってるよ~ 介護の仕事の前は10年以上クラブでチーフDJしてたけんドゥービーよくかけてたよ。しかし三年ぶりのシャバは変わったわ~彦ちんがロック好きって渋いのう~お務めでよゐこになりやしたぜえ!またアホな日記よろしく頼みますね。 両津勘吉より!

50代半ば  大阪府

2015/04/16 17:11

2.  >>1 初代カッチ組長さん
まいど
久し振りです。
ものほんの
お勤め帰りということで~(´・c_・`)
よゐこになってきましたか?(笑)
でも元気そうでなによりです。
カッチさんがドゥービィーをご存じで
うれしいです。

2015/04/16 15:06

1. バンドネタ熱いのう。やっぱり、ドゥービーは、ロングトレインランニングが一番好きじゃのう!彦ちん、彼女の夢叶うとええのう。それを応援する彦ちんの、SOULも熱いけぇ最高じゃね!彦ちん知ってた?ドゥービーのロングトレインランニングのハウスミックスがあるの?カッケーよ! 両津勘吉より!

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