アメリカンドリーム物語~ ②
50代半ば  大阪府
2015/04/17 11:05
アメリカンドリーム物語~ ②
ユキちゃんの腕は

痛々しくタダレていた。

それは

火傷のケロイドのようでもあり
酷いアカギレのようでもあった。

幸い海洋性気候の西海岸では
陽向を避ければカラッと涼しく
年中長袖で暮らせるので
腕をまくることもなくて

とも以外のものにはその事を
知られることはなかった。

これは
かれこれ半年程前のこと
ライブとガーディナーのほかに
染色工場の深夜アルバイトを
始めてからだった。

まさに三束の鞋(わらじ)といえる。
そして
それは単に金銭的な理由からではなかった。

もうすでに滞在ビザは切れ、
オーバーステイ(不法滞在)になって、
半年以上
唯一カリフォルニアライセンスだけが
彼らの身分をカモフラージュしていた。

そんな中で、
舞い込んだ話が、
過酷な染料工場で丸一年勤めあげれば
グリーンカード(永住権)を貰えると言う。

かれは迷うことなくこの話に飛び付いた。

ともと二人
アメリカで家庭を築くために・・・

つまりそれが
ともとユキちゃんの
アメリカンドリームを叶える為の
苦汁のケロイドでもあった。

当時
韓国中国も含め
開発途上国からの移民難民は容易でも
お金もコネもないかれらには
なおさら
日本からの移住には厳しかった。

彼らがグリーンカードを得るには
現地企業から申請してもらうか
ともが妊娠出産するくらいしか
みちはなかったのだ。

出産さえすれば、
こどもが成人するまての
滞在許可を取得できる。

そうすれば
ユキちゃんの腕のただれも
無くなる。

そんな彼らの願いも虚しく
子を授かるどころか
ユキちゃんの体力も限界にきていた。

ユキちゃんは
日本にいる頃から
元来細く、然程丈夫でもなく、
不健康なロックミュージシャンそのものだった。

不健康であっても
自ら好きな音楽をやって
その日暮らしであっても
このうえない贅沢を味わっていた。

ともと出逢う迄は・・・
ともと出逢って狂おしく心を
うばわれるまで、、、

ともは普通に美形で
ジーンズのよく似合う
お嬢さんだった。









続くぅ~(*´-`)
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コメント

50代半ば  大阪府

2015/04/21 10:50

4.  >>3 さらさん
おはようござます。
ノンフィクションです。(*^^*)
はるか彼方の懐かしい
物語です。ね。(笑)\(^^)/

さら[退]
40代後半  静岡県

2015/04/20 0:28

3. ノンフィクションですか?

続きを楽しみにしています♪

おやすみなさい☆

50代半ば  大阪府

2015/04/17 14:20

2.  >>1 削除しまくる、うさぎ、(早めの、痛み止め)さん
今は加藤茶って
いわれめす。
(笑)\(^^)/

50代半ば  北海道(道央)

2015/04/17 12:39

1. 出た~~~志村けん、、、

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