例えば
恋をして
それが
最初はプラトニックで

でもやがて
お互い満更でもなくなって

幾ばくかの時間を費やして
ようやっと
体の関係ができていく。←ノーマル

例えば
それとは逆行して
対人関係がほんと下手で
一杯劣等感や疎外感や

早い話トラウマがあって
そういうのを乗り越えるために

まずやっちゃう。とか←恋の裏道

手っとり早い。
割り切りの賛歌。

ある一定のプロファイルを検閲すれば
苦手な駆け引きを割愛して
とりま体で
一種の同梱になるのも方法だったりします。

つまり回りくどく
根拠を作って体を許す。か

からだを許して下心を払拭してから
お互いのありのままの根拠を探る。かぁ

どちらもありです。←でした

僕の若い頃って
とくに
やってしまって終るより

やってしまってあとに
ずるずる始まるほうが
ｳﾙﾙって多かったのが実感です。

今回の出会いの場合

僕に関してはまず
ぼくは若くもなく
おまけに既婚なわけで

やってもやらなくても
多くは始まりも終りもしません。

だからはなから裏道です。←邪道

だから
例えのどちらにも
あてはまりません。よね

でも彼女の場合は
そうはいきません。

そこが微妙なんです。

とても妖しい彼女なわけで・・・

彼女の
ここでの日記やつぶやきが事実なら

いろんな面で
仕事も
対人関係も
そして金銭的にも
かなり行き詰まっていたのが
彼女の現実です。

もしそれらが
脚色無しの本当なら。ね

病んでもいたはずだし
救難信号も発していました。

もちろんぼくは精神科医でも
レスキューでもないですから
なんにもしてあげれません。

それでも
ただのスケベと言うより
少し優しさを優先させたい
おっさんですから。。。

そんなぼくには
一つの確信がありました。

この娘は
遊びたいわけでも
ただお金が欲しいだけでも
ましてや
愛情を求めているわけでもない。

ただ刹那に
なにかに溺れたいだけなんや。

つまり
肩の荷を降ろして遊びたいし
お金だって欲しい
幼児期から中学と
虐待やレイプで廻された汚れた記憶も
すべて含めてひとつになりたい。

もちろんその時点では
そこまでの黒い歴史など
ぼくが知る余地もありませんでした。

ただ
彼女の中に見え隠れしている
黒い気だるさだけが伝わってました。

つまり
あの時ぼくの横に座っていた人は
怯えきった一番虐げられた
人格だったんだと後になって
わかりました。

だからぼくは
唐突に名前を聞いていました。

すると彼女は

全く聞こえない小さな声で
答えました。

「・・・です。(..)」

「えっ？」

それはきっと
人間の耳で聞き取れない声でした。

「・・・・・きです(..)」

「ええぇー？どんな字ですか？」

「・・・と・・貴いと書いて・・・です(..)」


「あっ？
・・ゅ・・・き・・・ですか？」

5度目でやっと
聞き取れていました。

それから先
本当のことや大切なことは
何故か
聞き取れない声でした。


僕がなんども聞き返すまで・・・・






～つづく～