愛窪(えくぼ)ちゃんの朝~1~
アタシのお母さん
波乱万丈なんだぁ
半(なか)ば諦めたような
でもお母さんだもんねという
なにもかも受け入れたような口調で
笑窪ちゃんが言った。
アタシ
お父さんが3人いてるねん
一番上のお兄さんのお父さんと
2番目のお兄さんのお父さん
で
アタシと妹のお父さん。(笑)
「ビール
もう一杯
いいですかぁ?」
「うん、いいよ。
でもつぶれないようにね。」
「アタシばっか飲んで
ごめんなさい。」
「そんな、ええよぉ~
どうせ僕はあんまり飲めないし
このノンアルコールで充分いけてるよ。」
店員さんを呼んで
「すいませ~ん!
瓶でお願いします。」
かんかんに冷えた瓶ビール
笑窪ちゃんが手酌で注ごうとした。
その手を止めて
男が一杯目を注ぐ。
「女性にこんな風にビール注いであげるのって
初めてやわ。」
嘘っぽいが本当だった。
お酒の場には不慣れで
どこまで注げばいいか分からない(笑)
ホットプレートの野菜が
沸騰し始めて泡沫が踊った。♪
横には
霜降りで雪のような
黒毛和牛のしゃぶ肉が
ふたりのお箸を待っていた。
飲んで
食べて
微笑んでなお
お話しは尽きることなく
初デートは
花丸模様でつつまれながら
あたたかいむーどが降り積もる。
つづく
コメント
2015/10/02 9:14
1.
そかそか‥
飲むよりヤる派なのね?
オレと同じやん(笑)
返コメ