いつの間にか

僕の指が

わんこのおしゃぶりと
歯ブラシのかわりに

なってます。

もともと
わんこは好きでしたけど

まさかね
ここまで盲目的に
好きになるなんて

自身思いもしませんでした。

とはいえ
僕がここまでわんこを好きになるには
僕なりの一つの理由が
あるんです。よ

それは
5年前に大腸癌で
この世を去った友人のせいでした。

あの頃友人は
半年の余命宣告を受けながら
奇跡的に１年半を生き延びたのですが、

その間

時間を惜しむように
お昼になると
昼飯を奢るからと
彼から呼び出しがかかったものです。。

ぼくにとってはおそらく
人生で唯一無二の友人に
ちがいありませんでしたから。。。

彼は
すでに第４ステージにあって
病院でズルズルと生にすがるより
例え苦しく僅かでも人らしく散る

そんな生き様を選んだのでした。

（そのことについては
あくまで彼の選択で
賛否両論あるのでなにも言えませんが）
そして
そんな彼には愛して止まない
わんこが居ました。

そりゃあ～
端で見てる僕にも
恥ずかしいくらいの敬愛ぶりでした。

奴が逝って5年過ぎた今になって
改めて温ったまる記憶に癒されています。。

まじ羨ましい人間とわんこのコンビでした。

そんな羨ましい彼等の絆とは・・・

正確には人間のおっさんと
9歳の雌犬との関係なんですけどね(笑)


それはまさに
恋人同士のようであり
父娘のようでもあり

また師匠と弟子とか
親分と手下のようでもありました。

ただ一貫して言えるのは
彼はわんこに対して
常に本気で

わんこにとっても彼は
唯一のパートナーなのが
その従順さと歓喜で見てとれました。

ある時深夜の公園で
こんなことがありました。

夜9時
彼等連れ立って ←
近所の公園にお散歩にでかけました。
勿論彼はリードなど
持ち合わせておりません。

「おい！ベル行くぞ！」

と一言
機械工具の店頭から
長椅子で寝そべっているわんこに声をかけて
ぶらっと出かけます。

するとベルも
「ぅ～ぅ～わかったぁ～ぅ～」
みたいな感じでボチボチあとを追うんですね。

まさにお前ら連れか？
って思わせる
だるいムードです。

かれはわんこのために
立ち止まることもないし

わんこもあえて
彼に歩調を合わせる気もさらさらない。

そんな時たまたま
でっかいシェパードが
前方に立ちふさがったんです。

飼い主のリードを
ぶち切らんばかりの勢いで
ベルに飛びかかろうとしていました。




素満～


～つづく