午後４時半
仕事を片付けて
奈良に向かった。

生駒山を貫通して
トンネルを潜り抜ければ
東大阪から奈良の壱分まで
5分とかからない。

会社を出て20分弱で
女のマンション前に辿り着ける。

男にとって逃れがたい。
手が届く距離に甘い蜜壷が
待ち受けている。

男は着くなり
着いたよラインを
飛ばす。

今でこそ
即既読即応答を
出きるようになった女だった。

ぴゅー♪
「りょ！直ぐ行くわ。（揺れるハート）」
そしていつものジャージ姿で現れる。

それは
今でこそ・・・だった。

ほん一年前なら
酷い時などは
眠剤の睡魔に溺れてしまうこともあった。

律儀な男はおんなが目覚めるまで
三時間以上待ってやることもあった。

敢えて待って
おんなの眠剤や安定剤を
叱ったりしていた。

うざい！

それが女の未開発な
最終兵器だった。

男が追い詰めると
女は過呼吸を引き起こすほど
感情を荒立たせ手に終えなくなる。

男が静かに見詰め
ニッコリすると
女は涙を溜めて貝のように項垂れる。

そんな
まさにうざい！男と
まだ叱られて足りていない女の

バトルだったのかも
しれない。



それは
ひょっとしたら
いまだに小競合いの続く
底無し沼なのかもしれない。


女が
車に乗り込んできた。


そして恥ずかしそうに
可愛い包みを投げだして

「はいこれ！
おそくなったけど
メリクリとお誕生日のお祝いやで。」


男は意表を突かれて
フリーズした。



また家には持って帰れない。


う～(´・ω・`)