これは
かれこれ５年前に亡くなった
無二の親友の
思い出ブッチャケです。

故人の話をすれば
成仏した御霊の供養になるって
いわれてますよね。

そんな気持ちを込めて
彼のエピソードを書いてみます。

彼は工具店の社長でした。
わが社の仕入れ業者であり
かけがえのない友人でもありました。

とても反骨極まりなく
銭かねでは靡かない
その反面涙もろく
侠気に溢れたやつでした。

そんなやつですから
得意先の購買部長とやりあって
お店にとっては生命線の取引を
ふいにして困ることもありました。

僕が彼と知り合ったのは
そんな折でした。

それ以来、
わが社で造る機械の部品は
彼の工具店で仕入れるようになりました。

例えば
設計から機械を制作する場合
作りながら改良改善することが
多くてその都度
パーツを発注することになったりします。

そうすると
彼が怒りだすのです。

「注文する時はもっとよく練って
まとめて発注しろ！
後から後からなんべんも電話してくるな！」

っておい？
どっちが客かわからんよね。

すると
「要らん経費がかからないように
君のために言うたってるんや！」

とこう上から目線
なんですね

普通なら
もうお前とこからは買わんっ！
ってなりますよね(笑)

でもね
彼は普通ではなかったのです。

かれの頭のなかには
それまでに買ったさまざまな部品が
エアーツールであったり
電動機器であったり
あらゆるものが
インプットされていました。

さらに
普通なら
こちらで製品番号やら仕様を
綿密にしらべあげて
指定しなくてはならないところを

おおまかな説明で
どこよりも安く的確に
オーダーしてくれてました。

それは
彼の知能指数が
アインシュタインよりも高くて
170だったお陰でした。

つまり面倒くさい性格を相殺しても
余りあるほどありがたいやつだったんですね。

そして長く付き合ううちに
僕より五つも年上ではありますが
俺お前の間柄になってました。

そんな彼には
数えきれない呆れたエピソードが
あります。

今回は
怪しい小切手騒動のお話をします。

ある日
彼のお店に加工業者から
電話がかかってきました。

それは
彼が振り出した
支払い小切手についてのクレームでした。

金額は
623,000円です。

その小切手を換金しようとしたところ
銀行から拒否されて
業者が怒ってきたそうです。

原因は
その時たまたま
印字機が故障しており
彼が小切手を自筆で書いた為でした。

彼が書いたのは・・・

【陸拾弐萬参仟圓】でした。

えっ？
陸って？

銀行員が頭を抱えたそうですが
結局突き返されて
加工業者がインチキな小切手をつかまされたと
大騒動になりまた。

そこで逆ギレしたのが
やつでした。

「お前らぁ！
漢数字の読み方も知らんのか！」

あっいやいや押さえて押さえて
書きなおさないと業者さんが困るから～

と
まわりがなだめてなんとか治まりまた。



たくもう
こんなやつでした。、

僕はあいつがいなくなって
果てしなく
寂しいです。(笑)

次回は
やつの変態事情のエピソードを
書きたいとおもいます。



南無阿彌陀仏