「わたしって
男運が悪いねん」

ボツンと言ってた
愛窪ちゃんでした。

それはまだ
出会って間もない頃でした。

もとはこちらから
旦那さんやお子さんの話を
振ったんですけどね

それで

子どもちゃんのお話になるともう
愛窪ちゃんの目が
爛々として
どんだけ大切な存在か
ひしひしと
伝わってきましたよ。

そして
２年前に別れた旦那の話になって
別れた経緯や顛末までかいつまんでね。

いやそれが女癖が悪くて暴力をふるう
酷い男だったみたいで
その時はまだ2歳だった長女を連れて
飛出したんだって。

この辺りの事は
最初のほうでひと通り書いてますけどね。

それでね
今でもたまにポツンと言うんですよ。

「私ってほんと男運が
　　　　　　　　悪いねん。」

でね
その度に僕はこう返すんです。

「君ってほんと男運悪いよね。
　　　　でも子ども運が良かったやん。」

するとまた決まって
愛窪ちゃんがこう言います。

「そうなんですよ～
　　　子ども達が私の宝物なんですよぉ～」

こんなありきたりな会話ですけど

こんな会話の始まりと
続きの中で

僕は愛窪ちゃんのこと
すごく好きになったし
彼女も自然に心を開いてくれたと

思うんですね。

とは言っても
もとガールズバーの売れっ子で
二児のママしてる
愛窪ちゃんじゃないですか

しっかりちゃっかりで
したたかな面も図太い面も
あって当たり前ですよね。

だからきっと
ここだけやなくて
近所界隈でもこんな感じで
愛想を振り撒いてるもんだと
思っていたんですね。

で先日、
近隣の事業主さん達と
ちょっとした談話の機会がありまして

それとなく愛窪ちゃんの話を
してみました。

すると愛窪って誰や
みたいなリアクションなんですね。

そこで
可愛いヤクルトのお姉さんやん
って説明すると今度は

ほとんどが口を揃えて
「ああーあの愛想のいい娘さんね～」

（あっ！やっぱり人気あるんだ～ﾌﾑﾌﾑ）

えっ？
それだけ？

だれもそれ以上のことは
ご存知なくて←当たり前か？

もと旦那のことや
子どもちゃんのことも
遣り繰りしんどくて
ラウンジ行ってることも

そんな立ち入ったこと
話もしないし聞きも出来ない
みたいな。

僕はてっきり
あちこちうまく游いで
協力者を、そこそこ担保してるって
勘繰っていたんですね。←恥ずかしい。

もちろん
ライン交換して
こんなに毎日やりとしてる人も
限られてるみたいです。

だって
ラインアプリの設定を見てって
スマホをポンって僕に渡すんですよ。

僕のほうがかえって
ドギマギしちゃいましたよ。


そんな愛窪ちゃんとの朝ですが

10ノットくらいのスピードで
少しずつ少しずつ
とめどなく少しずつ接近して

気がつくと
随分近いなぁ～って

ことになってます。

とは言っても

まだまだ
10ノットの緩い繋がりが
嬉しいばかりの

こんなお茶目な

愛窪ちゃんです。