桜の季節になると思い出す君のこと
君は大学の同級生。ゼミの仲間でもあった、そして…
出逢いは大学1年の最初の国富論の講義。大講堂のなか500人の中で席が真ん中より少し前。でその中で隣だったこと。
黒板にポイントを素早く書いては、すぐ消す教授の講義…先輩の話だと試験のポイントばかりらしい…だから皆、入学して最初ということもあり真剣だった
速記が得意な僕は難無く、ルーズリーフに写していた。
長い講義が終わると皆ざわついて
「こんなの写すの無理」
とか
「誰かコピーさせてくれないかなぁ」
とか
飛び交っていた(笑)
すると、ふいに
隣から声をかけられた
「ノート凄いですね」
僕は隣を見た
![[目]](https://login.550909.com/emoji/ic_eye.gif)
可愛らしい子だった
「こんなんしか取り柄ないから
![[うまい!]](https://login.550909.com/emoji/ic_face_delicious.gif)
字はめちゃくちゃ汚いけど」
「私は、8割方写せたんですけど…」
「よかったらコピーする?」
「コピーは失礼なんで、写させて貰えませんか?」
「読めないかもだけど」
僕はうなづいた。
そん時、真面目でいい子だなぁと思った
ランチを一緒にした
![[レストラン]](https://login.550909.com/emoji/ic_restrant.gif)
彼女は、新潟から出てきて一人暮らし。友人もまだいなく、人見知りも激しく、僕に声を掛けたのも自分でもびっくりしたらしい
そんな照れて話す君に少し惹かれていた
ノートを写してたの見てたら、めっちゃ解りやすくまとめてた
「それの方がスゲーな」
僕がそう言うと、次の日コピーをくれた…そんな最高のコンビだったから試験もバッチリだったね
ゼミ、サークルも一人だと心細いからと言ってたから、一緒に見学しに周ることになった。
結局サークルはお互い入らず、ゼミは学部で最難関のゼミを二人で受けた。10倍の競争を二人で抜けたのも奇跡だったのかな?
それから仲のよい友達を一年続けた…周りからは恋人みたいと言われながら…お互いになかなか告白出来ないでいた…そんな感じだったかな
出会って一年の春、二人で花見に行ったね
桜の花吹雪が綺麗で、桜のトンネルが綺麗で、屋台の焼きそばが美味しくて、君は大はしゃぎだった
そこで、ヒラヒラと舞い落ちる花びらをどっちが先に取るかゲームをすることになった
勝ったら何でも好きなことお願い出来る賭けをしながら
予想に反して君が勝ったね
君からのお願いは
「僕の君への気持ちを聞かせて欲しい」
だった
それを言うその前に、もう一回、桜の花びら取りゲームをしたいと僕は頼んだ
そして、今度は僕が勝った
![[グッド(上向き矢印)]](https://login.550909.com/emoji/ic_good.gif)
そして僕からのお願い
「付き合って欲しい」
君は頬を赤らめながら、頷いた
僕は桜吹雪の中、君を強く抱きしめた
桜の季節になると思い出す君の淡い思い出