キメ顔
地下鉄の中で、正面の窓ガラスに映る自分の顔をずーっと気にしている青年がいた。
髪の毛を整えてはキメ顔して、襟の形を整えてはキメ顔して。
そのたびに窓ガラスにポーズして、またキメ顔して。
こんなことを四駅間ずっとやっているものだから、周囲の乗客も次第に「なんだコイツは?」てな目で一瞥しはじめて。
思いっきり自意識過剰なのに、思いっきり自分の間抜けさに気づいていない彼の姿に、「癒し」を感じた本日でありました。
そういや学生時代は、CDシングルの裏面で自分の顔をチェックしてる男子がいた。
ちなみに当時、俺はZIPPOのライターに自分の顔を映して鼻毛チェックしていた。
上には上がいるというか、下には下がいるというか。