習慣
拍手ってよく考えたら、動物みたいな習慣だなあと思う。
職場でも講演やプレゼンの後、みんな当然のように拍手をしているけれど、やっているのは「手のひらを叩き合わせて音を出す」。
パソコンでスライドショーしてても、スーツ着込んでても、やっているのは「手のひらを叩き合わせて音を出す」。
からだの一部をぶつけて音を出すのは、ゴリラのドラミングに代表されるように、動物界ではとくに珍しくないことなのだろう。
人間の場合、手のひらを叩き合わせるのは違和感なく受け入れられているけれど、これが足の裏ならどうだろう。
「プレゼンが終わったら、聴講者全員が足の裏を叩き合わせてポコポコ音をたてる」
手が足に代わっただけで、原始人か類人猿みたいな光景になってしまう。
拍手の妙ちくりんさが少しはお分かりいただけたろうか。
いやまァ、動物的だからといって、ダメだというわけでは全然ないんですが。
拍手までもが電気機器化されてしまったら、世のなか味気ないことになってしまうに違いない。
コンサートが終わっても、オーディエンスは手持ちの「拍手音発声スティック」を押してパチパチパチ…。
あまり想像したくない世界である。
すくなくとも、事あるたびにヒューッ! なんてって口笛を鳴らすような文化よりはずっといい。