寝太郎
ヒマがあるとゴロゴロして寝てばかりいる毎日。
こういうときに心強いのが山口県に伝わる「三年寝太郎」の寓話である。
いつも寝てばかりいてみんなからバカにされていた寝太郎が、三年間寝続けた末、ずいぶんな頓知を思いついて大金持ちになる、というバカみたいに分かりやすいお話。
俺も彼にならって「70年寝太郎」になろうかと思う。
目が覚めたらあとは死ぬだけであるが、誰にも迷惑をかけないで済むから立派だろう。
そういや誰だかの作家が言っていた。
「人生を深刻でないものにすること。それは至難のわざだし、偉大な芸術だ」。
というわけで普段は惰眠をむさぼることに専念しているわけですが、寝る前にハミガキする段になると、いつも決まって焦燥感にかられる。
「悠長にハミガキしてる場合なのか!?」とか「もっと有意義に時間を使わなくちゃ…」とか考えると切羽詰った気分になってきて、つい歯ブラシくわえたまま机の掃除したりしてしまうんである。
俺にとって無駄な時間はハミガキのときだけだ。
休日はいつも数時間昼寝するけど。