セールスポイント
高校生の頃、「辛いもの好きなオレ」をセールスポイントにしているA君というのがいた。
とにかくなにかをウリにしたがるのが思春期である。
それは「柿が食べられないこと」であったり「ウイスキーをボトル一本飲めること」であったりするわけだが、A君の場合は辛いものを食べても平気なことがウリなのだった。
そんなある日。
みんなでピザ屋に行ったら、A君は「オレこういうの平気やねん」と言いながらタバスコをたくさん振りかけ始めた。
みんなの「オー!」という歓声。
それが嬉しくて「もっとかけても平気だぜ」とうそぶくA君。
周囲の者も調子に乗ってタバスコをかけまくり、気がつけばタバスコまみれの真っ赤なピザになっていた。
それを平気な顔して食べ続けるA君だったわけですが。
しばらくたって店のトイレに入ったら、A君は涙目になりながら洗面台の水を喉に流し込んでいた。
俺と目があった彼は、なにも言わずにただ水を飲み続けた。
俺などには言い訳する必要などなにもなかったようである。
A君はきっと「女子生徒にモテたかった」のだと思う。
思春期のセールスポイントなんて所詮そんなものなのかもしれない。
タバスコまみれのピザを食べて子孫繁殖を目論む。
辛い話だなあ、と今ごろになってふと想い出す。
コメント
2015/12/17 6:09
2. >>1 めぐ@今年ゎ積極的mode(^^;)さん
どこでも寝れるとかかなw
料理をセールスポイントにできるとか尊敬します(^^)
返コメ
2015/12/16 1:55
1. のっち君のセールスポイントは〓
私は料理位しか思い浮かばずです(笑)
返コメ