『父ちゃん』って
いつ頃まで呼んでたろぅ


いつの間にか親父って呼んでたな～

今じゃ父ちゃんも親父とでも呼び掛けれる親はいない

今回は父ちゃんって呼んでた頃の話しを書こう



背丈も高い方でもなかったが大きく見えたな～


末っ子の俺には何しても怒らず
兄貴達には厳しい人だった


何時だったか言われたことがある
『は川で芋洗ってら川上から流れて来たとたい』笑いながら良く言われた



父ちゃん俺あの時は傷付いたとばい

本当に泣いたとばい


そぅそ こんな事もあったな
友達と遊びに行くのに小遣い貰いたいのに誰も居ない親の財布が何処にあるかは知ってた

五十円でよかったのに財布の中には札しか入ってなく仕方なく千円札を一枚抜ことした時

後ろに父ちゃんが立っていた
『なんばしょるとか父ちゃんな泥棒が一番好かんと』この時ばかりは怒られたな～


俺は泣きながら理由を言い弁解した

『小学生に千円は多過ぎると百円持っていけ』と百円くれた


自慢じゃないが
あの時から人様の物に手をつけた事がない


今思えば父ちゃんの教育だったのだろ


高崎山の猿に絡まれた時とっさにおんぶしてくれたり優しく頼れる大きな父ちゃんだったな


そらりゃ～母ちゃんの方が想い出は多い


今じゃ父ちゃんも母ちゃんっても呼べる親は居ない



親孝行せんと､いかんばいた