ことばとは何だろう？


コミュニケーションのためのツール

それはそうだ


しかしもっと正確に言うなら

考える、思考するためのツールなのだ


試しに何でもいいから

頭の中で考えてみてほしい

ことばを使わずに考える事が、不可能だと言う事がわかるはずだ


座禅で言われる、無になるとはそう言う事かと

ある日気がついた


雑念を振り払えとは


言語から脳を解き放てと言う事なんだと


※もちろん、これは私の私的な解釈なので、定説や通説とは全く関係がない


don't think feel


小学校１年の頃から憧れ続けた

私の中の永遠のヒーロー

ブルース・リーの彼の映画での有名なセリ
フも

同じ事を言っているんだと思う


考えるな感じろ！

言語脳ではなく感覚を！


なぜ感覚が大事なんだろうか？


映画のセリフは弟子らしい少年に対して

空を指差しながら、ブルース・リーが言った言葉だ


いきなり空を指差されて

少年は一瞬考えてしまう


それに対してブルース・リーは「 考えるな 」と諭す

これは武術の本質を端的に表現している


武術とは本来、殺し合いの技である

一瞬の隙が命取りになる


考えるとは

眼や耳等、センサーから入って来た情報を

一度言語に変換してから

処理する作業だ


これでは時間がかかりすぎるのだ


反射神経的に危険に対処できなければ

殺し合いには勝てないと言う事だ


体が覚えるとはそう言うことだろう


武術やスポーツの世界で反復練習を重要視するのはそのためだ

対象に対して無意識に対処出来るようになるまで繰り返し練習する



さて、武術の話しはいいとして

言語脳がなぜ「雑念」か？


人間は生まれて来た時には

ことばは話せない


周りとコミュニケーションすることによって、初めてことばを使えるようになる


恐ろしい話しだが

ある年令までにことばのネットワークが脳に出来上がらないと

一生しゃべれなくなってなってしまうらしい

そう言う意味でも

親、兄弟には感謝すべきだろう


ことばは話し相手との共通認識がなりたってはじめて

ことばとして成立しうる


なんでもいいが


「そこにある白い箱」


と言ったとしよう


そこ、白い、箱


と言うことばをお互いが理解してはじめて

その物が何かを理解する事ができる


話し相手と私の間では

その物体は「そこの白い箱」

として認識され記憶される


例えばあなたが高名な霊能者なる人物に

「あなたは呪われています」

と言われたら、どう感じるだろう

私は呪われている

と思ってしまったら

あなたはほとんど負けだ

脳の中にというか、あなたの自意識のなかに

呪われている

という回路が一旦できてしまったら

それを消すことはなかなか難しい


その自意識の作用を

自己暗示と言う

自己暗示はことばと記憶の作用によって脳の中にうえつけられる

古来、人類はこのメカニズムを使って

様々な事をしてきた


もちろん良いこともある

プラシーボ効果と言われる事

ただの粉を病人に

「良く効く薬だよ」

と言って渡す

この

良く効く、薬

と言うことばが

病人の脳の中で自己暗示として、確立されると

実際に効果がある事がわかっている


忍者もこのメカニズムを使っていたらしい


彼の武田信玄をして

最強のと言うより、最恐の忍者と言わしめた

果心居士

がそれである


伝説の人物なので実在したかどうかは別として

彼の用いたのは幻術と呼ばれるたぐいの術らしく

現代風に言えば集団催眠とでも言うものだ


様々なことばや時には薬を用いたらしいが

聴衆を催眠状態に誘導する

そこで「これからこの牛をひと飲みにして見せよう」

というと実際に牛を丸飲みしているように見えたそうだ


中国の気功も自己暗示らしい事がわかっている

ことばをまったく使わないと

効果がないと言う報告がある



いつもながら

長くなってしまったので

続きはまた次回で