年齢を重ねる毎に
沢山の人と交わってゆく毎に
そして
数多の恋をしてゆく毎に
他人を傷つけ
他人に傷つけられる
意識しての場合もあり
知らず知らずの場合もありだけれど…
そうやって人は、心に幾つもの棘を蔵してゆくものだ。
あたかも茨の木の枝に沢山の棘があるごとく。
しかし
茨の花は清楚で新鮮で美しいものだ。
棘があるのはわかっていても、愛でたくなる気持ちは誰にも起こるだろう。
同じ薔薇科でありながら、薔薇の花の様な妖艶さではなく、清らかな雰囲気で咲くその花に
危険な香りは感じない。
人もさように生きて行きたいものだ。
人間関係はとっても難しい。
ましてやストレスフルの現代において、コミュニケーション力は今や“能力”と呼ばれる程、高レベルのスキルであるといっても決して過言ではない。
思春期の若者を日々相手にする高校教諭という仕事をしてる私は、彼らを見つめて、痛いほど実感することが出来る。
もちろん、拙い自分の生きてきた軌跡を想い起こすにつけても…であるが。
心に棘は誰にだってある。
だけど
それを他人に直にぶつけて傷つけることは
自分自身をも傷つける両刃の剣であることを深く肝に銘じよう。