豆腐が街にやって来る
40代後半  福岡県
2014/09/19 8:14
豆腐が街にやって来る
中学3年のとき、さだまさしさんが主題歌を書いた映画『二百三高地』を観に行って、とても感動しました。
日露戦争を様々な角度から描いたこの作品で
庶民代表は
兵士役の新沼謙治さんでした。
豆腐屋の倅で、当然家業のあとを継ぐべく労働に明け暮れ、殆ど学問ってのには無縁の男みたいです。
豆腐売りの喇叭がトレードマークで
その繋がりか、戦場で拾った喇叭を上役から一発ぶん殴られる代わりに持つことを許可されます。
進軍喇叭の練習を繰り返し、段々とそれらしくモノになっていきます。
兵士としても、余り理屈で考えずに身体で覚えていきますから、結構使える人材になっていきます。
次々に死体と化してゆく仲間や敵兵を眺めて、心は痛むのですが、だからといって深くは悩まない。
彼が最終的には難所二百三高地に一番乗りして日章旗を掲げるのです。
仲間も過半数以上死に絶えた過酷な戦場から帰還した彼は
同じ様に帰還した仲間が、体験談を語り、戦争について演説したりする中
普通に街に戻るのです。
そして
きっと
年老いた親のあとを継いで
喇叭を吹きながらやって来たに違いありません。
容器を持って買いに来る人に豆腐と笑顔を与えつつ…
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