高校の頃 こんな私を慕ってくれる後輩がいました
彼女はダンス部
背が小さくて 髪が短く 目の小さな かわいい子でした

何がきっかけだったか ダンス部の子たちと 私たちで豊島園に遊びに行って 仲良くなりました

自分勝手な私は 誰もかまってくれない時や とてつもなく暇な時 彼女を誘いました それも突然
でも 彼女は イヤな顔せず それどころか 友達を追い返して 来てくれました

デートは いつも 渋谷
どちらの家からも中間地点だったから
馬券買うのを付き合わせたり 「麻雀放浪記」を見に行ったり 楽器屋 レコード屋 兎に角 自分の都合ばかりでしたが 彼女は喜んでいました
いつも腹を空かしている私のために お弁当を余分に持ってきたり してくれました


いつしか 私は 彼女のために 何かしなきゃいけないんじゃないか と考えるようになり 何をしたら よいか？ 解らず
会うのが 辛くなりました

今にして思えば 青い
ばかじゃないかと思うのですが…


彼女に「好き」と言ったことも 「付き合おう」と言ったことも なかったので
なんと伝えていいか 解らず フェードアウトしました
そしたら ダンス部から 総スカンを食いました


私みたいなわがまま者は 彼女のような子じゃないとダメなのに

自分自身のことながら 当時の自分には 呆れます
自分勝手にいろいろ考えて 逃げちゃうんだから

最低です

卒業式の後 柔道の顧問から聞かされました
先生は またまた彼女の手帳を拾ちゃたそうで 手帳には 私への思いが書いてあったそうです
先生が彼女に手帳を返す時 これだけは 私に言わないでくれと頼まれたので 卒業式まで言わなかったと顧問は言ってました

こんな私のどこがいいのか？未だに分かりませんが あんなに慕われたのは 後にも先にも あの時だけです

まったく バカな話です


ご静読 ありがとうございました