明け方、ひどい夢を見た。

上司と二人、知らないさびれた工場を歩いていると、前方に何かぶら下がっている。
近づいてみると、うちの犬が、首と耳と胴体とに切断されて、鎖で吊るされていた。
急いで地面に下ろすも為す術なく、自分は絶叫して大泣きするだけだった。

目が覚めると、心臓がすさまじい勢いで鼓動していた。

うちの犬は、先日から自力で食事ができなくなり、流動食を与えている。最近はめっきり元気がなく、食事中も目がうつろ。

悪い暗示か。嫌な予感がして、すぐに犬の寝床へ行って呼吸を確かめる。大丈夫、生きてた。すると、一気に全身の力が抜けてしまう。暫く寝顔を見たのち、自分も布団に戻った。



朝7時前、キャン！と鳴き声が聞こえた。
犬の元へ行くと、玄関扉のレールの上で、うつ伏せになっている。「伏せ」の態勢ではなく、力なく伸びたような態勢だった。

うちの犬は、玄関（室内）を拠点にしていて、昼間は自由に屋外へ出入り出来る。キャンと鳴くときは、大抵家の人間を呼んでいるとき。この時は何故呼ばれたのか…、というか、何をしているのか分からなかった。暫く傍で様子を見ていたが分からないので、持ち上げて寝床へ戻した。

また暫くして、朝食の流動食を与えた。相変わらず、なかなか飲み込んでくれず、やっとのことで食事が終わる。少しすると、またキャン！と鳴き、呼ばれた。
いったい何だろうと暫く考えて思いついたのは、トイレ。自力で立てないのか。身体を持ち上げて立たせると、足がプルプルしている。いつもの場所まで連れて行くと、おしっこをし始めた。正解だったようだ。昨日までトイレは自分で出来ていたのに。ショックだ。

この日記を書いている最中にも呼ばれている。