そう、娘が言った。



娘と晩御飯を食べていたら…



「おにぎり」


の話しに


娘からは


「パパの握ったおにぎりは、美味しいよ」


って




娘曰く…


離婚して元嫁と同居していた娘。


約束を守らなかったからと、元嫁は、娘のお弁当を作らなかった。



そして、娘は、俺の所に逃げるようにして来る３ヶ月間、ずっとコンビニのパンやおにぎりを買い続けた。




娘は


「コンビニのおにぎりもパンも、機械的な同じ味しかしない。」


「コンビニのおにぎりもパンも食べれない。」



そう言った。



俺 (時々食べると美味いけど…)

そう思ったが、口には出さなかった。




更に娘は

「人が握るおにぎりは、その人の手の味がする。」

とも言った。




「人の手の味」



それは、優しい味なんだろうな。


暖かい味なんだろうな。




俺の三角おにぎり…


崩れない様に固めに握らさる。


それを娘は、美味いと言う。


そんなおにぎり

100個でも

1000個でも

娘が、一人前になるまで握ってやる。




それが、娘の言う


「おやじの手の味」


なんだろうな。




そのうち、娘の手で握ったおにぎりも

「人の手の味がする」

んだろうね。



いつか、娘の手の味を食わしてもらうまで、俺は俺の手の味がするおにぎりを握る。



そして、娘に好きな人が出来たら、その人に娘の手の味を食わしてやってくれ。