不倫の結末 11
山頂までは、険しい…
ゴツゴツした山道が続く。
僕はその時、何を履いていたか覚えていないが…
美里のパンプスは、鮮明に覚えている。
彼女の手をしっかりと握り、一歩一歩歩いた。
彼女の手から伝わる温もりが嬉しかった。
ずいぶん寒く感じたが、それがより温かさを感じさせた。
山頂に着いた。
そこからは、琵琶湖が見えた。
僕は、美里に…
「ほら…あれは何だ?」
( ん~んと…
日本海。)
「ワッハッハ…
バカだな~
琵琶湖だよ~
滋賀県の人に怒られるぞぉ~ 」
( そっかぁ~ )
そんな、下らないやりとりが…
愛しさを増幅させる。
周りに人がいたが…
後ろから、両手で包む様に抱き締めてしまった。
キスをしたい。
そんな衝動に駆られる。
僕は、寒いのは大丈夫だが…
美里は、この時期の服装だ。
かなり寒い筈だ。
「寒くない? もう降りようか? 」
(大丈夫!)
そうやせ我慢する美里の手を引いて、再び来た山道を下っていった。
車に戻ってきて…
車内で抱き合い唇を合わせた。
明日へ続く