不倫の結末 43
美里の誕生日は、1月だ。
あの阪神淡路大震災の日だ。
美里に提案したのは…
「 美里ちゃんの、22歳を僕に下さい 」
それだけだった。
それまでは、2週間を切っていたが…
その間に、心の整理をつけたかった。
まさか…
今日、こんな話になるなんて思っていなかったから…
本当は、誕生日にお祝いをさせて欲しいと言ったのだが…
( 誕生日にお別れなんて悲しすぎる)
その美里の言葉を尊重した。
僅か2週間足らずだが…
心変わりや、心境に変化が生まれるかも知れないと、淡い期待があったのも事実だ。
こうして、別れへのカウントダウンが始まった。
正月休みが終わると、本社へ集まっての新年会に行くため、新幹線で東京へ…
新幹線からは、美里の住む街も見える。
行きも帰りも、新幹線からその付近を探す。
まだ…
別れたくない…
未練がましい自分が嫌になっていた。
彼女を苦しめたく無いんだろ?
妻と別れて結婚する勇気なんか無いんだろ?
自分に問いかけてばかりいた。
明日へ続く