むかしむかし…あるところに
与平という気の良い男がおっかぁと住んでおった
おっかぁは織物を織って、与平は炭を焼いて町に売りに行って生計を立てておった
その日は、炭も全部売れて帰るところだった
見ると…
とても美しい鶴が猟師の罠に掛かっていて、それを猟師が捕まえるところだった
与平は猟師に炭を売った金を払い鶴を買ったそうな
そして…
その鶴を逃がしてやった
手ぶらで帰った与平に与平のおっかさんは、「また作って売ればええ」そう言った
そんな人が良い親子であった
その晩
脚を怪我をして難儀をしている若い娘が訪ねてきた
名前を つう と言う
そりゃあ難儀だろうと、与平はつうを温かいが粗末な料理で迎え、寝床を準備してやった
翌朝…脚の怪我が治るまでいたら良いとおっかぁと与平が言うと
つうは涙を流して喜び…
怪我をした脚で、家事を手伝い、献身的に尽くしてくれた